やはりエジプトか。 やはりエジプトか………いつ出発した?

エジプト水紀行 -前編 ナイル川と水の歴史-

やはりエジプトか

エジプトとはどんな国?エジプトと言えば? まずはエジプト人を形成するエジプトという国について見ていきましょう。 エジプトを知ることでエジプト人を知るヒントを掴んでいきましょう。 エジプトの基礎知識 エジプトは単にエジプトと呼ばれますが、正式名称は「エジプト・アラブ共和国」と言います。 イスラエルやスーダン、リビアと国境を接し、北側には地中海が広がっています。 国土面積は日本の約2. 7倍で、首都はエジプト北部に位置するカイロです。 エジプトやカイロは様々な映画の舞台になることも多く、名前だけでも耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。 公用語はアラビア語ですが、都市部では英語が通じることも増えてきています。 宗教は国民のほとんどがイスラム教を信仰していて、少数ですがキリスト教を信仰している人がいます。 民族は主にアラブ人ですね。 世界遺産の謎多きピラミッド地帯 やはりエジプトを語るのに古代の遺跡は欠かせません。 エジプトには7000年以上もの歴史があると言われており、有名なピラミッドは「メンフィスとその墓地遺跡・ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯」という名称で世界遺産登録されています。 8箇所に及ぶピラミッドの外観は壮観で未だ建築方法は謎に包まれたままというとてもミステリアスな建造物です。 治安などの問題で観光客数が減少した時期もありましたが、最近はまた人気を取り戻し世界有数の観光地として再注目されています。 多様な食文化 エジプトの食文化はオスマントルコやイギリスの影響を強く受けています。 そのため、豆やパスタなどが混在した独特な料理が多いです。 いわゆるB級グルメの中には豆や米、マカロニやスパゲティが一緒になった炭水化物たっぷりの料理などもあります。 日本でも見かけることが多くなったエジプトの国民食とも言えるのが「ターメイヤ」でしょう。 そら豆で作られたコロッケのことで、元々はクレオパトラゆかりの地アレクサンドリアの郷土料理です。 そのまま食べたり、他の食材と一緒にパンに挟んだりと食べ方も様々です。 水たばこ「シーシャ」 シーシャとは水タバコのことです。 最近では日本でも取り扱っているバーやレストランを見かけるようになりましたね。 アラブ諸国ではメジャーな嗜好品で、お酒の席では必ずと言って良いほど目にします。 シーシャには様々なフレーバーがあり、アップルやレモンなどの爽やかさを感じられるフルーツ系、シナモンやジャスミン、ミントなどスパイスを感じるハーブ系、コーヒーやチョコレートのフレーバーなど多種多様です。 また、シーシャ独特のガラス瓶も美しく特徴的です。 近年では普段はタバコを吸わない人や観光客でも気軽に楽しめるものとして人気があります。 古代遺跡のイメージが強いエジプトですが、現代の文化もとても興味深いものがありますね。 それではここエジプトで暮らすエジプト人の特徴や国民性について見ていきましょう。 エジプト人の性格・国民性 エジプトはイスラム教徒の多い国なので、やや厳しく閉鎖的な性格を想像するかもしれませんが実際はどうなのか?深い歴史を持つエジプトに暮らすエジプト人の性格について見ていきましょう。 信仰心があつい エジプト人のほとんどがイスラム教を信仰していて、特に女性は信仰心があついです。 イスラム教は戒律が厳しく、食べ物や肌の露出が制限されています。 エジプトの街を歩くと「ヒジャブ」とよばれる服で肌を隠し、目元だけを出している女性を見かけることが多いです。 オシャレをしたい年頃であってもこういった服装を求められています。 とはいえ、常に抑圧された生活を強いられているわけではありません。 エジプト人女性の「女子会」は非常に華やかで派手ですし、男性の目がない場所ではとてもアグレッシブな性格が垣間見えます。 戒律を守った上で、楽しむところをしっかりと持つことができるのも信仰心があついから、ということでしょう。 プライドが高い エジプト人の特徴としてよく挙げられるのがプライドの高さです。 古代エジプトの発明や歴史が深いという誇り、愛国心も関係しているのかも知れません。 この特徴がよく見られるのはどちらかと言うと男性の方で、否定をされることや間違いであっても発言や行動を正されることを極端に嫌います。 また、地位や立場にこだわる性格でもあり、自分より立場が上の人には失礼を働かないようにとても配慮しますし、自分の方が立場が上であれば奉仕をするなど、他人に尽くす行動をとります。 少しルーズな性格 エジプト人は時間や約束にルーズなところがあります。 約束の時間に現れない、貸した物が返ってこないということもしばしばあるようです。 エジプト人のほとんどがイスラム教を信仰していますが、ルーズな性格の男性はその戒律に対してもルーズなようで、食事の前のお祈りやラマダンと呼ばれる断食にたいしても戒律を守らないことがあるようです。 人懐っこい 男性は外国人に対してもおしゃべりで気さくな性格で、話に花が咲くとなかなか切り上げられずに長話になってしまうこともしばしばあります。 また、女性は人前で目立つ行動や積極的に意見を述べることは良いこととされていないので、外国人に話しかけることはほとんどありません。 しかし、親しい間柄や家族の前ではとてもおしゃべり好きで明るい性格の人が多いです。 エジプトは敬虔(けいけん)なイスラム教徒の多い国なので、日本人からすると少し身構えてしまうところがあるかもしれませんが、実はとても気さくでフレンドリーな性格をしています。 エジプト人の恋愛と結婚観 エジプト人の恋愛や結婚はイスラム教の教えが影響しているため、日本とは異なった恋愛のスタイルをしています。 それでは具体的にはどんな考えなのか、イスラム教の教えが根付いたエジプト人の恋愛観と結婚観について見ていきましょう。 積極的な男性 エジプト人男性はイスラム教を信仰しており、自尊心が強く、フレンドリーな性格で恋愛においてはやや積極的なところがあります。 エジプトは外国人観光客の多い国なので、イスラム教の規則に関係なく肌を露出した女性も多く訪れます。 エジプト人男性はそんな露出の高い(セクシーな)女性を狙って、気さくに声をかけ、仲良くなろうとする人も多いです。 フレンドリーで人懐っこいその性格で女性との距離を縮めることも得意で、アプローチもストレートな人が多いのが特徴です。 消極的な女性 男性とは対照的に消極的な人が多いのがエジプト人女性の特徴です。 その背景にはやはりイスラム教の教えがあります。 イスラム教では交際=(イコール)結婚と決められているので、遊びの恋愛はあり得ず、結婚の約束をせずに男性と二人で出かけるということもまずしません。 イスラム教では婚前交渉を禁止していますが、それまで守ってきたものを結婚と同時に捨てることができず悩む女性も多いようです。 亭主関白 エジプトではほとんどの家庭が亭主関白で、男性が優位な立場にあります。 イスラム教では女性は守られるべきものとしていますが、実際のところは制限が多く、男性が自由であるようにも感じられます(エジプトでは男性の重婚も認められています)。 プライドが高く、社会的な地位や立場にこだわりを持つエジプト人男性と、敬虔なイスラム教徒で控えめなエジプト人女性では男性が亭主関白になるのも頷けますね。 家族を大切にする こちらもイスラム教の教えでもありますが、エジプトでは仲の良い家族が多く、家族の優先順位が高いと言えます。 結婚しても実の両親とも変わらずに交流があったり、義理の両親とも良好な関係が築けている家庭が多いです。 また、未婚の女性にとって両親の言うことは絶対で、両親が結婚相手を選び、その人とそのまま結婚するというケースも少なくありません。 恋愛に消極的な女性は多いですが、例えそうでなくても親の言うことが絶対なので反対されてしまえば結婚はできなくなります。 文化や宗教の違いもあり、エジプト人の恋愛観や結婚観は日本人のそれとは大きく異なる部分が多いのがわかりますね。 エジプト人の見た目とスタイル それでは続いてエジプト人の見た目やスタイルなど外見的な特徴を見ていきましょう。 エジプトと言えば歴史的な美女としても名高いクレオパトラの伝説があり、何となく美人をイメージする人も多いかもしれませんね。 浅黒く日焼けした肌 エジプト人の肌の色は、小麦色でやや赤いのが特徴的です。 ラテン系の褐色というほどの濃い色ではなく、健康的な日焼けの色に近い肌色をしています。 エジプトはアフリカ大陸に位置していますが、エジプト人は黒人ではありません。 コーカソイドという人種でヨーロッパをはじめ北アフリカにも多い人種です。 エジプト人の場合は赤く日焼けをしたような肌色をしていて暗い髪の色がとてもよく映えてスッキリとした印象があります。 特徴的な目元 眉毛やまつ毛が濃く、アーモンド型の目をしている人が多いのが特徴です。 また、コーカソイドの特徴として二重の人が多いです。 アラブ諸国にも多く見られる特徴で、まつ毛が長く二重の目元は男性でも可愛らしく感じられます。 当然女性にもこの特徴が見られ、中にはアイメイクはあまりしないという人もいるようです。 また、眉と目の間隔が狭いことも特徴で、エジプト人の写真などを見ると眉の真ん中と目がとても近いのがわかります。 体毛が濃い エジプト人、特に男性は体毛の濃い人が多いです。 エジプトでは髭を生やすことも男らしさを表現する大切なポイントで、整えられた髭をたくわえているエジプト人をよく見かけます。 年配の男性は髭を長く伸ばしている人も多いですが、若い世代から中年くらいの男性は長さを揃えてデザインされた髭を好む傾向があります。 女性に関しては、髪の毛の量(毛量)が多いのが特徴で、ツヤツヤとした黒や濃い茶色の髪の毛はクレオパトラを彷彿とさせるものがありますね。 丸い鼻 エジプト人の顔にどこか愛嬌を感じられるのは鼻が丸いことが関係しているかもしれません。 眉間から通った鼻筋もやや柔らかさを感じさせます。 ヨーロッパや同じアラブ諸国でも北側の人々はシャープな鼻筋が印象的ですが、エジプト人は鼻腔も丸い場合が多く、やや小さめです。 エジプト人の外見は日本人からするとエキゾチックな異国情緒溢れる顔立ちで、憧れるところでもありますよね。 エジプト人とエジプトハーフの有名人 エジプト人をイメージする上で参考になるエジプトの芸能人など有名人、その他エジプトハーフの有名人を紹介します。 エジプトはスポーツや芸能が盛んな国なので、あなたも知っているエジプト人がいるかもしれません。 モハメド・サラー(ムハンマド・サラー) 1992年生まれ、エジプトのバスユーン出身のサッカー選手です。 2011年にエジプト代表デビューを果たし、スイスやイタリアのクラブチームを経て現在はイギリス・プレミアリーグの名門リヴァプールでプレーしています。 エジプトでの人気は絶大で、2018年3月に行われたエジプト大統領選挙では、立候補していないにも関わらず現在のアブドルファッターフ・ア・シーシー大統領についで2番目の投票率を得ました。 こんなことがあること自体驚きですよね。 彼の外見を見てみると男らしくたくわえられた髭に肌の色は浅黒く、とてもエジプト人らしい特徴が出ていますね。 フィフィ 1976年生まれ、エジプトのカイロ出身の日本で活躍するタレントです。 コメンテーターとして出演しているのを見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。 両親が日本の大学で博士号を取得しており、2歳で日本に移住しています。 博識で物怖じしないキャラクターからコメンテーターとしてテレビに出演することが多いようです。 彼女の見た目を見てみると、浅黒く日焼けをしているような肌色に、暗い色の髪の毛と目と眉の間隔が狭いことがわかります。 また、目元がハッキリとしており強い目力を感じるところもエジプト人らしい特徴かもしれませんね。 ドニア・サミール・ガーネム 1985年生まれ、エジプトのカイロ出身の歌手であり、女優としても活躍しています。 彼女の父親はエジプトでとても有名なコメディアンであり、歌手です。 彼女自身は歌手ですが、多くのエジプト映画に出演するなど、演技の仕事の評価もとても高いです。 彼女のインスタグラムのフォロワー数は700万人を超えており、その人気の高さが伺えます。 「最も美しい中東女性」にも選ばれたことのある彼女は外見を見るとわかる通り、とても美しい女性です。 目元はスッキリとしたアーモンド型で、眉と目の間隔が狭く、エジプト人らしい肌色をしていますね。 野口健 1973年生まれ、アメリカのボストン出身の日本人登山家です。 彼の父親は外交官をしていた日本人ですが、母親がエジプト・ヘリオポス出身のエジプト人です。 彼は25歳のときにエベレスト登頂に成功し、当時の七大陸最高峰登頂の世界最年少記録を樹立しました。 NPO法人の代表でもある彼は、慈善活動や環境保護活動にとても熱心で、日本でも地震などの災害があった際は駆けつけて支援活動を行っていたことが話題になっていましたね。 地位や立場のある人間は他の人のために尽くすというところは、身分に合った行動や立ち振る舞いを意識するエジプト人の特徴が感じられます。 日本でも馴染みのある方が多く、知っている人もいたのではないでしょうか?エジプトは国力のある国で、アフリカ大陸にありながらアラブ諸国に影響力を持つ国なので、これからもっとたくさんの有名人が輩出されるかもしれませんね。 こうして芸能人など有名な方を参考に見てみると特徴や国民性を知る上ではわかりやすく、面白いのではないでしょうか。

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ひき肉入りのエジプト風!シャクシュカのレシピ #世界の料理│hitotema|ひとてま

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エジプトの正式名はエジプト・アラブ共和国。 北アフリカに位置し、公用語はアラビア語。 アラブ民族が多数を占め、そのうちの94%がイスラム教徒です。 カイロの街(画像出典)pixta 首都はカイロで北アフリカ、アラブ世界随一の人口950万人が暮らす巨大都市。 そしてカイロで絶対訪れたいのが、20万超の収蔵品を有する「エジプト考古学博物館」です。 ただし今年2020年に「大エジプト博物館」が開館予定で、「エジプト考古学博物館」に収蔵されている中から10万点が引き継がれるとのこと。 一番の見所「ツタンカーメンの黄金のマスク」も移される予定なので、エジプト旅行されるときはチェックをおすすめします。 さてエジプトといえばナイル川が作り出す肥沃な土地とともに世界最古の文明の一つ「古代エジプト文明」が栄えた国としてお馴染みですよね。 成田から直行便も出ているのでとても行き来しやすくなりました。 ギザのピラミッド(画像出典)pixta エジプトといえばやはり巨大ピラミッドやスフィンクスが見どころですが、ただ見るだけでなくピラミッド内に入場したりラクダに乗ったり出来るツアーもまた、特別感が味わえ人気です。 さらにお勧めなのが世界遺産に登録されている豪華絢爛な「ガーマ・ムハンマド・アリ」。 エジプトを代表するイスラム教礼拝堂(モスク)でシャンデリアやランプなど美しすぎる装飾は必見です。 でもエジプトは、夏場は50度近くの高温になりますし、砂嵐が多い時期(3~5月)もあるので、観光場所だけでなく旅行時期を選ぶのも大切なポイントですよ。 エジプト風シャクシュカのレシピ さて今回ご紹介の料理「シャクシュカ」は中近東近辺で幅広く食べられ、主に朝食として定番となっている国民食。 日本ではイスラエル料理として紹介されることが多いですが、私が教えていただいたのはエジプト人。 エジプトではひき肉を入れて食べることが多いから、とひき肉入りを教えてくださいました。 作り方はとっても簡単。 食べ方はパンやピタパン等を添えて乗せたり挟んだりとお好みでどうぞ。 ワインとの相性もバッチリです。 スパイスの加減はお店や家庭によって変わるとのことなので、お好みで増やしたり減らしたりして楽しんでください。 定番のトマトとひき肉と玉子の組み合わせですが、エジプトならではのエキゾチックな味わいにきっと虜になると思いますよ。 材料(2人分)• 合い挽き肉 100g• にんにく(みじん切り) 1かけ• 玉子(常温) 2個• 塩 3g• 胡椒 少々• オリーブオイル 大さじ1• 刻みパセリ 大さじ1 <A>• トマトペースト 大1• ナツメグ 少々 辛いのが苦手な方やお子様向けには、チリパウダーは抜いてください。 作り方 1冷たいフライパンにオリーブオイル、にんにく、合い挽き肉、玉ねぎを入れ、火が通るまで弱火~中火で炒めます。 2<A>を加え弱火にして10分ほど煮込み塩胡椒で味を調えます。 (火が強いと焦げやすいので注意してください) 3真ん中に窪みを作って玉子を割り入れ、蓋をしてお好みの固さになったらパセリを散らして出来上がりです。

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エジプト水紀行 -前編 ナイル川と水の歴史-

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植物はほとんど育たない。 農業には灌漑が不可欠。 塩害を受けることも多い ナイル川の最下流域カフルシェイク県。 首都カイロから北へ車で 4時間以上かかる。 ナイル川の支流を使った運河の終点に行くと、底を掘り返して盛った土手が白いもので覆われていた。 エジプトのような乾燥地では、雨がほとんど降らない。 農業用水や地下水には塩分が溶け込んでいるので、灌漑した農地の地表からの蒸発量が多いと、塩を残してしまう。 しかも、ここのようなナイルデルタの下流では、水量が作物栽培に十分でない。 農地からの排水を農業用水に再利用するうちに、さらに塩分濃度が高まる。 小麦やサトウキビを育てる畑の脇に、白い塩が見える土が積まれていた。 なめてみようかと思ったが、ゴミや化学肥料がまざっていることを考え手が止まった。 ナイル川の最下流域では、農地の脇に塩が浮き出て固まった土が置かれていた 農業・土地開拓省に勤める灌漑と排水の専門家、ハサン・アブデルバキー( 30)は、乾いた土の塊を指でつぶしながら「塩分をたくさん含んでいるので、すぐに砕ける」と話した。 さらに北上すると、塩分濃度が高すぎて農業には適さないため、土地が養魚場に変えられた地域もあった。 一度塩分を含んだ土地はなかなか元に戻せない。 養魚場にするために売りに出されていた土地。 手前の白く見えるところは塩の固まりだ=エジプト・カフルシェイク県 なぜ、こんなことになったのか。 地元の人たちは、 19世紀に造った「せき」と、 1970年にできたアスワンハイダムの影響が大きいという。 以前はナイル川が定期的に洪水を起こし、それを利用した伝統的な灌漑が流域に肥沃な土をもたらしていた。 ダムのおかげで洪水はなくなり、水力発電による電力をもたらした一方、土は徐々に疲弊し、肥料を大量に投入しなければならなくなった。 19世紀にできた「せき」で遊ぶ子どもたち=エジプト・カイロ近郊 さらに急激な人口増加が追い打ちをかけた。 エジプトの人口は今年、 1億人を突破するといわれる。 エジプトは世界有数の小麦輸入国だ。 政府は砂漠の農地開発を進めており、それにはナイル川の水が大量に必要となる。 最下流域に回る水が少なくなり、塩害を加速させているともいわれる。 政府は昨年、多くの水を必要とするコメの作付けを減らす法律を作り、罰則を定めた。 ところが今年に入って、突然撤回した。 農政も迷走する。 エジプトではずっと、人々は国土の 4%ほどしかないナイル川沿いの土地に住み、その恵みに頼って生きてきた。 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教の熊倉和歌子( 39)によると、 12世紀の土地文書には、すでに土の肥沃度と水はけを考慮した「地力」が記されていたという。 エジプトの土は大部分が「砂漠土」だが、ナイル川のデルタ地帯は「ひび割れ粘土質土壌」だ。 カイロから北に車を走らせること約 60キロ。 ミヌフィーヤ県に来ると、「農民の友達」という別名を持つ白い鳥たちが虫をついばんでいた。 エジプト・ミヌフィーヤ県の土。 ぱさついていたが、水をかけると粘土のように軟らかくなった 村には、ナイル川から水を引いた用水路が通る。 畑では小麦は黄金色に実り、レタスやキャベツは大きく成長していた。 1万 2000平方メートルの土地を持ち、長年農業に従事しているラムジ・シャラビ( 51)は「ナイル川の肥沃な土が積もっている」と笑顔を見せた。 足元の土を手に取ると、茶色くぱさついていたが、水をかけると粘土のように軟らかくなった。 このあたりは、最下流に比べれば水が豊富だ。 ポンプでくんで、農地に流し込む。 「ナイルの賜物」が完全に消えたわけではない。 「ここでは何でも問題なく育つよ」と自身の畑で話すラムジ・シャラビさん=エジプト・ミヌフィーヤ県 世界四大文明のひとつに数えられるエジプト文明は、ナイル川と流域の土地に支えられてきた。 人口増加や水不足で、その土に疲れが目立ってきたのは、悠久の歴史の中で、ごく最近になってからだ。 政府系シンクタンクのアハラム政治・戦略研究センター研究員アマーニ・タウィール( 59)は「ナイル川流域のデルタは 5000年以上にわたって人々を養ってきたが、いまや、やせて疲弊してしまった」と嘆いた。 アハラム政治・戦略研究センターのアマーニ・タウィール=エジプト・カイロ やはり四大文明のひとつメソポタミア文明も、大河が運ぶ豊かな土で栄えたが、人口増に伴う森林伐採による土壌侵食や塩害が滅亡の原因になったといわれる。 こうした状況に、エジプト政府は力ずくで立ち向かおうとしている。 疲弊したデルタ下流地帯に固執することなく、砂漠に農地を広げようというのだ。 カイロから約 60キロ北東の砂漠地帯に車を走らせると、スプリンクラー灌漑が施された大規模な農地でジャガイモや小麦が栽培されていた。 土はさらさらとして黄色い。 砂漠の土そのものだ。 50年余りで約 60万ヘクタールを新たに開墾。 更にシナイ半島やアスワンより上流の砂漠計 49万ヘクタールの開発計画もある。 耕す人は確保できるのだろうか。 タウィールはいう。 「エジプト人は仕事や糧を求めて、移動を繰り返してきた。 道路が整備されれば、塩害に悩む農民は新たに開墾された砂漠に移動するだろう」。 隣国スーダンやエチオピアでも、農地の確保を目指す。 エジプトの砂漠地帯で進んでいる、もう一つのプロジェクトがある。 【次の記事を読む】.

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