ナレッジ 管理。 ナレッジマネジメントをうまく進めるコツ。活用できるツール例もご紹介

ナレッジマネジメントをうまく進めるコツ。活用できるツール例もご紹介

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サポート担当のモリーです。 今回は、国産オープンソースで小さく始めるナレッジマネジメントについてご紹介します。 ナレッジマネジメントは試行錯誤が必要 ナレッジマネジメントは昔から多くの企業が取り組んでいるマネジメント手法です。 ところが、どんな企業でも必ずうまくいく方法論は見当たりません。 そのため、 ナレッジマネジメントとは企業や業務の特性に合わせて試行錯誤が避けられないマネジメント手法であると考えます。 プリザンターを使うことで、費用をかけずに情報の蓄積や共有をスタートすることができます。 プリザンターは汎用性が高く、項目の追加等様々なカスタマイズを行うことが可能です。 そのため、試行錯誤しながら業務特性にフィットしたナレッジマネジメントを検証することが可能です。 課題管理など身近な仕事からスタート 近代的なナレッジマネジメントを行うには情報システムが不可欠です。 そのため、情報をデジタルで登録するという作業を避けることが出来ません。 当然ですが、こうした作業には労力を伴います。 そのため、ナレッジの蓄積という作業は積極的に行なわれないのが普通です。 ナレッジの登録作業にノルマを課すこともできますが、残念ながらノルマ制で集めたナレッジは本当に役立つものに成り得ない可能性が高いです。 上記のように強制的にノウハウの登録を促すのは得策ではありません。 当社では、 もっと身近なところからナレッジマネジメントを始めるほうが良いと考えています。 たとえば課題管理表の共有です。 ナレッジと呼ぶにはプアな印象もありますが、こうした日常業務から始めれば新たな労力をかけずにスタートできますし、実務で役立つノウハウを無理なく蓄積していくことが可能です。 日常的なノウハウの共有から始めると、毎日ツールを触ることになりますので、ツールの活用方法にも慣れることができます。 月に1回しかアクセスしないツールより、毎日利用しているツールでナレッジを共有するほうが、確実にナレッジマネジメントの効果をあげることができます。 プリザンターでは、既存の課題管理表の項目名を設定し、CSVからインポートを行うだけで、課題管理業務をWeb化する事が可能です。 下記の動画の手順で実施できますので、ぜひ試してみてください。 トラブル受け付けなどボリュームの多い仕事に拡大 ツールの使い方に慣れたら、徐々にデータ量の多い仕事にも適用してみましょう。 例えば、トラブルの受け付け業務では、トラブルの内容や解決方法、顧客とのコミュニケーション等多くの情報を扱います。 また、トラブルの対応は対応時間の早さが求められます。 そんなときに、遅いシステムでは使えません。 プリザンターは、数十万件の大量データも1秒かからずに検索できます。 インストール方法 プリザンターの使い方マニュアルは。 Pleasanter. net インストール不要のクラウドサービスは。 有償サービス・価格 プリザンターの導入、カスタマイズ、サポート等のサービスは。 OSS版プリザンターをダウンロード。 自分で動作環境を構築して使ってみる。 環境を構築せずにクラウド版を使ってみる。 3名まで無料で今すぐ使えます。 まずはデモ環境でプリザンターの機能をすぐに確認。 60日間ほぼ全機能を試せます。

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ナレッジマネジメント

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ナレッジマネジメントとは 個人で持つ知識や経験、ノウハウを社内で共有すること ナレッジマネジメントとは、個人で持っている知識や経験・ノウハウ(ナレッジ)を社内で共有し、生産性の向上に繋げるマネジメント手法のことです。 終身雇用制度が終焉を迎え、人材の入れ替わりも激しくなっています。 社員のノウハウを共有せずに一人のメンバーに知見が偏ってしまう事は、大変リスクが高いことです。 そのため、今後ますますナレッジマネジメントが重要になってきます。 社員がこれまで培ってきた知識やノウハウ・勘などを[暗黙知]といいますが、この暗黙知を文書化する事で[形式知]が構築されます。 暗黙知は積極的に共有化しなければ社内で活用される事はなく、個人の知識として埋もれてしまいます。 その結果、その人がいなく現場から離れると暗黙知は無くなってしまうのです。 そのため、暗黙知を組織の財産と捉え、吸収・共有化できる仕組みを構築する必要があります。 ナレッジマネジメントを行う目的 1)組織力向上 今まで従業員の退職などで業務が滞ったり、業務の質が低下した経験はありませんか? 日頃からナレッジマネジメントが構築され、しっかりと運用されていれば、業務の質や量の一定ラインは担保されます。 また、組織が大きくなるにつれ、他部署の連携も取りにくくなる傾向もありますが、他部署のナレッジも共有できる機会があれば、組織力のアップにも繋がります。 自分が欲している情報を社内の誰かが持っている事が分かれば、その情報を閲覧したり、また足りない情報があれば問い合わせる事も可能となります。 繰り返しになりますが、個人のナレッジは会社の財産です。 ぜひ上手く活用しましょう。 2)個人のスキルアップ 先輩が一人で抱えてこんでいたスキルや感覚的な経験が可視化されると、その情報を読み込み習得する事で後輩のスキルアップにも繋がります。 実際、ナレッジマネジメントはカスタマーサービスの現場でも多く活用されています。 より多くの事例を処理すればする程、その対処方法などを早く身につけることができます。 先輩や組織がすでに経験している失敗事例や、スキルを身につけるために必要な知識がまとまっていれば、新入社員も早く戦力化することができ、競争力も身につくでしょう。 3)業務効率化 社内には新人からベテランまで在籍していると思いますが、各々が経験してきた絶対量や質は異なります。 そのため、暗黙知の量や質も個人に依存してしまいます。 例えば、エンジニアであれば「このような事をすると障害に繋がる」という事が長年の経験や勘などで培われてきます。 営業マンも「このタイプにはこういうトークが響く」「この顧客は、過去にこういう売り方をして怒らせてしまった」などの経験や感覚を持っていたりもします。 特に感覚的なものはドキュメント化されていない事も多いです。 通常の作業手順やルーチンワーク以外の事となる該当するケースに遭遇しなければ引き継ぎ漏れをしてしまうケースもあります。 前任から見落とされた暗黙知が引き継がれないまま同様のケースが発生してしまうと、以下のような事態に陥る事は容易に想像がつくと思います。 ・質問する相手も分からずに右往左往 ・調べる事に時間がかかり、オーバーワークに繋がる ・担当者が変わった事で同じ失敗を繰り返し顧客の信頼を失う ですので、日頃から意識的にナレッジの共有を進めて行く事が、業務効率化を考える上でも重要なマネジメントとなります。 4)属人的な業務を減らし、業務を見える化 「仕事はできる人に集中する」という話はよくある事ですが、一部の「仕事ができる人」ばかりに頼っていると組織として強くなれません。 業務を見える化し、属人的な業務を減らしていくことで、どんな人材であっても業務を前に進めることができるような仕組みづくりが必要です。 また、「この人にしかできない」という業務を取り除くことで、社員の負担を軽減することにもつながるでしょう。 進めるための手法・ステップ 1. 目的を設定する 単純に「社内へノウハウを共有する」などでは社員の意識も薄いまま失敗する事例も見られます。 導入したもののコストだけがかかり、期待した効果が得られないという事がないように、「どういう情報を、どのような課題を解決する事を目的とし、どのような効果が期待できるのか」などを現場目線で吸い上げ、構築する事が重要です。 どんな情報を可視化し、共有したいのかを明確にする 現場に目線を置いて考えると、本当に必要な情報が何かは見えてくると思います。 今度はそれをどのようにして可視化する事ができるのかを考える必要があります。 ・データーベース化して検索できるようにするのか ・FAQ形式にするのか ・イントラなどのグループウェアにするのか などは現場によって使いやすさは異なってくると思います。 最終的な目的や用途によって上手く具現化できるように構築しましょう。 どのように業務に取り入れるか、仕組みをつくる 現場の状況を把握したら、実際にどのように業務に取り入れ、段階的に結びつけていくフェーズになります。 例えば、朝礼や全社会などで共有していた内容を社内イントラで集約化し、朝礼などを廃止してくなどが初めの一歩です。 実際に構築・運用が開始されたら終わりではありません。 その後どのタイミングで見直すのかなどを含めて「仕組みづくり」を行うことが重要です。 失敗する例では、「トップダウンでとりあえず作って終わり」というケース。 せっかくのシステム投資も無駄になってしまうため、いかに業務の中に組み込むかを意識しながら、ナレッジマネジメントの運用のスタートが「終了」になってしまわないよう、責任者を置くなどの工夫も必要です。 仕組みがうまくまわっているか、PDCAをまわしていく 実際に運用が始まったらログを集計し、解析をしましょう。 上手く情報が集まっていないのであれば、何が原因なのかを考え、改善していきます。 重要なのは、それを「誰が」やるのかです。 各事業部の上長なのか、社内の教育担当者なのか、責任者を明確にしておきましょう。 例えば、前述した朝礼を廃止してイントラを活用した例であれば、イントラの利用率などを確認し、利用率の低い部署にはアナウンスしていきましょう。 実際に筆者が勤めていた会社では、全社会議を廃止し、イントラで共有していた時期がありましたが、結果イントラは見られずに全社会議が復活した経緯がありました。 このケースでは、「社員の意識の低さが原因」ではありますが、それで片つけてしまうのはナンセンスです。 「イントラを見る必要性を感じない」と多数の社員が感じていたならば、なぜ見ないのかをぜひ紐解いてみましょう。 ・どうしたら見るようになるのか ・主務が多忙で見る余裕がないのか ・その共有が適切な項目だったのか 「外出が多いのならスマホでも閲覧できるようにする。 」「共有する項目が不要であるならその項目は廃止し、コンテンツを変更してリトライする。 」など、PDCAを回して、十分にブラッシュアップしていけば、企業にとっても、社員にとってもより充実したナレッジマネジメントと成長できる機会となります。 ナレッジマネジメントが失敗する理由 従業員に価値や目的が伝わっていない 失敗例でよくあるのは、実務があるうえに、「面倒なことを始めたな」と、社員がネガティブな印象を持ってしまうことです。 解決のためには、現場が欲しい情報や抱えている課題を中心に考え、その上で利用しやすいインターフェースを構築したり、システムを導入したりしましょう。 従業員のITリテラシーに合わないツールを導入してしまう また、扱う従業員のITリテラシーも忘れてはいけません。 日頃からあまりPCを操作しない職種の方がいると、なかなか利用してもらえないため注意が必要です。 その場合はどのツールを導入する事が現場にとって負担がないかを事前にしっかりと見極めましょう。 使用するツール例 ・社内SNS 社内SNSを導入するメリットは、いつでも気軽に情報発信・交換ができる事です。 グループも簡単に作成でき、部署を超えて必要な時に必要なメンバーを集める事も容易です。 ただし、上手く活用するにはグループの目的が何かを明示しなければ管理が煩雑になるので注意が必要です。 参考:• チャットワーク• 定額制Web社内報サービス• Wow talk ・グループウェア グループウェアは組織内でスケジュールやタスク管理、共有などを目的として作られたソフトウェアです。 導入メリットとしては、掲示板機能や簡易データーベース、チャットなどでナレッジマネジメントを構築するだけでなく、スケジュール管理やワークフロー申請(電子承認)なども一括でできる事です。 ツールが複数にまたがると作業者それだけで負担を感じてしまいます。 特にITリテラシーの低い現場では、同じツール内で完結できた方が運用する上で容易かもしれません。 ただし、ツールによって実装されている機能や金額が異なるので利用する用途などに応じて検討すると良いでしょう。 office365• サイボウズ• G suite ・エクセルで管理 ナレッジを蓄積しデータ化するにあたり、エクセルやgoogle スプレッドシートで管理する方法もあります。 お金をかけて構築するよりも、とりあえず運用してみるという面では手軽に始められるメリットがあります。 入力できる権限や閲覧だけできる権限など、用途に応じて設定しておくと良いでしょう。 また、スプレッドシートの場合はスマホからも管理・閲覧が可能となるので外出が多い営業マンのマネジメントなどにも適しているでしょう。 ただしスプレッドシートを利用するにはgmailアカウントが必要となります。 gmailは無料で作れる反面、退職時など管理ができていないと情報漏洩にも繋がります。 閲覧の権限やアカウントの管理は適切に対処しておきましょう。 まとめ 社員が培ってきたノウハウは上手く活用できれば、会社の資産となり、個人のスキルアップにつながり、組織力も高まります。 しかし、ノウハウの共有や横展開は簡単なものではなく、長期的な取り組みと仕組みづくりが求められます。 現在は様々なクラウドツールやサービスがありますので、機能を比較し、目的に合ったツール導入を検討しましょう。 エンゲージメントを高めるための社内制度のプラットフォーム『TUNAG』について TUNAGでは、会社と従業員、従業員同士のエンゲージメント向上のために、課題に合わせた社内制度のPDCAをまわすことができるプラットフォームです。 会社の課題を診断し、課題に合った社内施策をご提案、その後の設計や運用のサポートまで一貫して行っています。 課題の診断は、弊社の診断ツールを使い把握することが可能です。 ツールと専任のコンサルタントの支援で、経営課題を解決に貢献いたします。

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ナレッジ管理ツールおすすめ3選、ナレッジを制するものがビジネスを制する!?

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ナレッジマネジメントとは、 知識や情報を社内で共有&活用することにり、企業全体の生産性向上を図る取り組みのこと。 ナレッジ(knowledge)は英語で「知識」、マネジメントは「管理」を意味するので、直訳して「知識経営」「知識管理」と呼ばれることもあります。 普段はあまり意識していないかもしれませんが、社員がクラウド上でファイルを共有したり、チャットでノウハウを交換し合ったりすることも、ナレッジマネジメントの一環。 大量の情報を記録できるデータベースや、情報を瞬時に送受信できるインターネットなどの情報技術は、ナレッジマネジメントに欠かせないツールです。 今回は、「形式知」「暗黙知」「SECI」といった用語や具体的な事例、導入にオススメのツールなど、ナレッジマネジメントについて詳しく解説していきます。 ナレッジマネジメントとは ナレッジマネジメントとは、経営学者の野中郁次郎氏と竹内弘高氏による著書『The Knowledge-Creating Company』(1995年)をきっかけとして、世界に広まった考えです。 ナレッジマネジメントでは、 社員がもっている知識を可視化し、共有することで、会社全体の競争力向上を目指します。 営業部でいつもダントツトップの成績を納めている社員Aがいたとします。 Aさんのノウハウを共有できれば、営業部全体の売上を底上げでき、組織全体の利益も向上させられそうですよね。 しかし、Aさんのノウハウが共有されないままだと、企業の財産としては蓄積されません。 Aさんが退職すれば、Aさんのスキルを誰も再現できなくなり、営業部および会社全体の利益が下がってしまうのです。 上記のような事態を生まないようにするのが、ナレッジマネジメント。 個人のノウハウを企業の財産に転換できれば、組織全体が強くなれます。 とりわけ、現代の高度情報化社会において、財産としての情報の価値がますます高まっていることは明白。 1990年代に盛んとなったナレッジマネジメントですが、2020年代に突入した今だからこそ、再評価されるべきだといえるでしょう。 ナレッジマネジメント理論とSECIモデル ナレッジ・マネジメントの基本となる方法論に、「SECI(セキ)モデル」があります。 SECIモデルを理解するには、まず「形式知」「暗黙知」を知っておきましょう。 野中郁次郎氏らによると、 知識には「形式知」と「暗黙知」の2種類があります。 形式知:文章や図などのかたちで表現された知識 (例)企業内で共有しているマニュアル• 暗黙知:目に見えるかたちでは共有されていない知識 (例)社員個人がもっている仕事のノウハウ 各社員独自の暗黙知を形式知として共有することで、組織全体の生産力向上を目指すのが、SECIモデルです。 「SECI」とは、4つのステップを表します。 共同化(Socialization):個人の暗黙知を共有• 表出化(Externalization):暗黙知を形式知に変換• 連結化(Combination):形式知をブラッシュアップ• 内面化(Internalization):形式知を個人で実践・体得 (画像は筆者が作成) SECIモデルをベースに、社員それぞれの暗黙知が形式知となり、社内全体で共有されていきます。 この流れが、ナレッジマネジメントのベースとなるのです。 SECIモデルの4ステップ ナレッジマネジメントの基盤となるSECIモデルの各ステップでは、具体的に何が行なわれるのか、詳しく見ていきましょう。 共同化 【共同化】とは、各人の暗黙知を、口伝えなどの 可視化されていないかたちで共有するステップです。 先輩からセールストークの極意を教えてもらう、同僚から資料作成のコツをレクチャーしてもらうなど、知識を教え合ったり共有したりといったことは日常的にあるはず。 このように、 文書に記録されず、口承で知識が共有されていくのが【共同化】です。 【共同化】のツールとして活用できるのが、 ビジネスチャット。 社内で使えるチャットサービスです。 仕事でわからないことを誰かに質問したり、報告したりといったことが簡単にできるため、個人のノウハウが組織内で自然に共有されていきます。 しかし、ビジネスチャットや個人的なレクチャーを通じて共有された知識は、多くの場合、 正式な文書としては残りません。 そのため、知識を口承で【共同化】するだけでは、ナレッジマネジメントとして不十分なのです。 表出化 【表出化】とは、【共同化】された知識を文章などのかたちで残し、 誰でもアクセスできる形式知に変換すること。 チームメンバーのノウハウをマニュアルとしてまとめたり、そのマニュアルをもとに勉強会を開くなどして知識を共有することが該当します。 【表出化】によって、 知識が共有されやすくなるだけでなく、蓄積されるので、チームメンバーが入れ替わっても知識が受け継がれていきます。 【表出化】に使えるツールが、 グループウェアです。 グループウェアとは、組織内のコンピューターネットワークを使い、情報を共有するソフトウェア。 身近な例としては、「Googleカレンダー」のようなスケジュール共有ツールが挙げられます。 各人のスケジュールを入力しておくと、組織の全員が確認できますよね。 グループウェアにより、 各人が囲い込みがちな知識・情報に誰でもアクセスできるのです。 連結化 【表出化】によって知識が形となっても、体系的にまとめられていなかったり、矛盾があったりすれば、使いものになりません。 そこで、 知識をブラッシュアップさせる【連結化】が必要になります。 【連結化】で活躍するのが、 文書管理ツール。 文書をデータとして保存する目的に特化したソフトウェアです。 文書管理ツールには、カテゴリ分類やタグ付けなど、データを整理する機能も搭載されているので、 新しい知識を体系化・整理するのに利用しましょう。 内面化 【連結化】によって知識が体系化されても、実践されないままでは宝のもち腐れです。 次の【内面化】では、 新たな知識を各人が実践し、自分のものにすることを目指します。 【内面化】においては、 全社員が知識にアクセスできる環境が必須です。 ひとつのマニュアルを探し出すのに膨大な時間がかかるようでは、せっかくの知識を実践しようという意欲もなくなってしまいますよね。 そこで役立つのが、「 エンタープライズサーチツール」。 エンタープライズサーチツールとは、社内のデータベースを検索できる仕組みのこと。 エンタープライズサーチツールを導入することにより、閲覧したいマニュアルなどをキーワードで検索しやすくなるので、 共有されている知識へのアクセス効率が格段にアップするのです。 なお、知識の検索にあたっては、【連結化】で情報を整理しておくことと、検索ツールの性能が重要となります。 上記4つのステップをまとめたのが、SECIモデルです。 ひとつひとつのステップは業務中に発生しているでしょうが、意識しないと、各ステップはバラバラのまま。 4つのステップがうまく連動するように全体を統制するのが、ナレッジマネジメントというわけです。 ナレッジマネジメントの事例 実際のナレッジマネジメント導入事例を見ていきましょう。 成功例と失敗例を2つずつご紹介します。 成功事例1:富士ゼロックス 日本でいち早くナレッジマネジメントを導入した企業が、富士ゼロックス株式会社。 野中氏によると、1990年代の富士ゼロックスでは、 製品開発の最終段階で設計が変更されて開発期間が延びてしまう、という問題がよく起こっていたそうで、それを解決するためにSECIモデルが導入されたとのことです。 開発期間の最終段階で設計が変更されてしまうことが多かったのは、後半の工程を担当するスタッフの意見を反映するためでした。 後半工程の 担当者たちが意見を出せるタイミングは、自分たちに作業の順番が回ってきたとき、つまり製品がほぼ完成しているときしかなかったのです。 この問題を解決するため、設計の初期段階で全担当者が情報を共有し意見を出す「 全員設計」というコンセプトが打ち出されました。 そして、大人数が効率的に情報共有するために製作された独自のシステムが「Z-EIS」です。 「Z-EIS」には、 設計者や技術者たちのノウハウが言語化・インプットされたのだそう。 暗黙知に明確な形を与えて形式知に変える【表出化】ですね。 「Z-EIS」にインプットされた知識は、いったん各工程の責任者によってチェックされ、 共有すべき優れたものだけが残りました。 形式知をブラッシュアップする【連結化】です。 このように徹底したナレッジマネジメントによって、富士ゼロックスは、製作過程におけるムダを省くことに成功したそうですよ。 共同化:各工程の担当者間でノウハウを共有 表出化:ノウハウをシステムにインプット 連結化:各工程の責任者が優れた知識を選抜 内面化:各担当者がデータベース内の知識を参照して作業 成功事例2:NTT東日本法人営業本部 NTT東日本法人営業本部も、ナレッジマネジメントの成功事例として有名です。 1990年代頃から、 「リアルな場」と「バーチャルな場」の整備によって情報共有を促す仕組みが導入されました。 「リアルな場」: 実際に対面でコミュニケーションを行なう環境• 「バーチャルな場」: インターネット上のコミュニケーション空間 まず、「リアルな場」としては、社員の作業効率やコミュニケーションが最適化されるよう、4種類のゾーンが用意されました。 ベース・ゾーン 「ベース・ゾーン」は、広い空間にデスクと椅子が並んでいる、いわゆる「オフィス空間」です。 特徴的なのは、各人の座る場所が決まっていない「 フリーアドレス制」であること。 プロジェクトのメンバーなど、密にコミュニケーションを取るべき人同士がその都度集まって作業できるので、情報共有がスムーズになるのです。 クリエイティブ・ゾーン 「クリエイティブ・ゾーン」とは、いわゆる会議室。 メンバー全員が1つのディスプレイを見ながら話し合い、アイデアを出し合うことで、プロジェクトを進めます。 普通の会議室と違うのは、観葉植物で仕切られているだけの 開放的な空間であること。 壁に囲まれた会議室と比べて心理的にリラックスできるため、よりクリエイティブになれます。 コンセントレーション・ゾーン 「コンセントレーション・ゾーン」は、 静かな環境で集中して作業したいときのスペース。 「クリエイティブ・ゾーン」などで得たアイデアをもとに仕事を進めたり、データベース内で共有されている知識を参照・実践したりできます。 リフレッシュ・ゾーン 「リフレッシュ・ゾーン」は、仕事の合間にリフレッシュするためのスペース。 喫煙室やドリンクコーナー、雑誌コーナーなどがあり、一人でくつろぐだけでなく、普段は関わらない他部署の人とも交流をもつことができます。 同様に、「バーチャルな場」も4種類設けられました。 自己紹介などを載せる各社員のホームページ「 マイホーム」や、日常業務用のファイルを置く「 私の書斎」などです。 部署の垣根を超え、スムーズに情報共有を行なう環境が整えられていました。 このように、ナレッジマネジメントにおいてはIT技術だけに頼らず、 「リアル」と「バーチャル」の両方からアプローチしていくことが大切なのです。 リアルな場:フリーアドレスの座席や開放的な会議スペースなどで、コミュニケーションを最適化 バーチャルな場:各社員のホームページを通じて、情報共有やコミュニケーションを最適化 失敗事例1:A社(仮名) 成功事例だけでなく、失敗事例についても知っておきましょう。 ソフトバンクなどで多くの新規事業を立ち上げた吉田健一氏の監修による『この情報共有が利益につながる』(ダイヤモンド社、2004年)に紹介されている、A社(仮名)の例です。 1990年代、ナレッジマネジメントの概念が普及しはじめた頃のこと。 A社もナレッジマネジメントの活用を検討し、知識をデータベース化するためのシステムを導入しました。 しかし、 運用の仕組みが未整備だったため、ほぼ誰もシステムを活用せず、宝の持ち腐れとなったそうです。 A社の例からわかるのは、ナレッジマネジメントを効果的に行なうには、ナレッジマネジメントツールを導入するだけでは不十分だということ。 システムをどう活用するかという 「運用フロー」を決めておくのが重要です。 ナレッジマネジメントツールを導入したものの、 運用のルールがあいまい• ツールを活用できず、宝の持ち腐れに 失敗事例2:B社(仮名) 一方のB社(仮名)では、グループウェアを利用する文化が社内に根づいていたため、データベースにどんどんナレッジが蓄積されていったそう。 しかし、ナレッジマネジメント導入から1年後、B社のグループウェアには4,000以上ものデータベースが作られ、整理されず、形式などもバラバラ。 そのため、せっかく 集まった知識がどこに保存されているかわからず、活用できなかったのです。 B社では、SECIモデルの【連結化】を行なう仕組みができていなかったことが、失敗のナレッジマネジメント失敗の原因でした。 知識は活用されてこそ意味を帯びるものですから、データを入力して終わりにするのではなく、 「いかに取り出しやすくするか」という視点で整理するのが非常に重要なのです。 データの記述や整理のルールが未整備• 蓄積されたデータが活用不可能に ナレッジマネジメントの成功事例と失敗事例を見て、どう感じましたか? SECIの 4ステップのうちひとつでも欠けていると、SECIモデルを回すことはできません。 ナレッジマネジメントを実践する際は、SECIのひとつひとつを大事にしなければいけないのです。 ナレッジマネジメントのおすすめツール 最後に、ナレッジマネジメントの導入を検討している方向けに、オススメのナレッジマネジメントツール(ナレッジマネジメントシステム)をご紹介しましょう。 DocBase 株式会社クレイの「DocBase」は、文書作成・共有ツールです。 文書を 複数人で同時に閲覧・編集できるため、「その場のみんなで一緒にドキュメントを作り上げていく」という一体感を生みます。 もちろん、ナレッジマネジメントに使えるだけあって、 情報の整理・検索機能も豊かです。 作成した文書には、プロジェクト名などの「タグ」をつけておけば管理しやすいですし、全文検索や文書の作成者から検索する機能もあります。 SharePoint Online 「SharePoint Online」は、毎月一定額を支払ってMicrosoftの各種アプリケーションを利用できるサービス「Office 365」のツール。 「 組織全体でのシームレスな共同作業」を打ち出しています。 「SharePoint Online」はクラウドサービスなので、会社でも自宅でも、PCからでもスマートフォンからでもデータの閲覧・共有・利用が可能。 「SharePoint Online」で共有されているファイルは 全文検索ができるので、ファイルのタイトルを忘れたとしても見つけやすくなります。 また、チーム単位で情報共有するための「 チーム サイト」を立ち上げる機能もあります。 「チーム サイト」では、ファイルを共有するだけでなく、掲示板による情報発信やコミュニケーションをできるので、【共同化】にはぴったりですね。 AiLingual 「AiLingual」は、 業務マニュアルの作成・共有を目的としたクラウドサービス。 テキストだけでなく画像や動画を盛り込んだ分かりやすいマニュアルを、誰でも簡単に作れるようになっています。 各社員が自分のノウハウをマニュアルに落とし込みやすい環境を整えれば、 貴重なノウハウが属人化しにくいというわけです。 「AiLingual」の強みは、 20ヵ国語以上の言語に対応していること。 海外の企業や工場と関わることが多いグローバル企業には、特に便利でしょう。 Google ドライブ Google社の「Google ドライブ」は、ナレッジマネジメントツールとしてトップクラスの知名度があります。 Gmailのアカウントさえあれば始められるため、すでに導入している企業も多いはず。 基本的にフリー(無料)で利用できるため、あまり予算を掛けられない場合や、とりあえずナレッジマネジメントを試してみたいという場合にオススメです。 紹介した以外にも、多種多様なナレッジマネジメントツールがリリースされています。 用途や予算に合わせて、あなたの会社に最適なナレッジマネジメントツールを探してみましょう。 *** 産業がますます複雑化する今の時代、ナレッジマネジメントの重要性はかつてなく高まっています。 まだナレッジマネジメントを導入していなかったり、十分に活用しきれていなかったりするなら、ツールの導入や運用フローの改善を検討してはいかがでしょうか。 (参考) 学校法人中内学園流通科学大学(2016),『小売・流通用語集』, 商業界. リアルコム(2004),『この情報共有が利益につながる』, ダイヤモンド社. 株式会社図研プリサイト| 北陸先端科学技術大学院大学| 日本学術会議| 日本ユニシス株式会社| Microsoft365チャンネル| コニカミノルタ| 【ライタープロフィール】 佐藤舜 中央大学文学部出身。 専攻は哲学で、心や精神文化に関わる分野を研究。 趣味は映画、読書、ラジオ。 人生ナンバーワンの映画は『セッション』、本は『暇と退屈の倫理学』。 好きな芸人はハライチ、有吉弘行、伊集院光、ダウンタウン。

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