奈落 古市。 古市憲寿さんが、芥川賞選考委員から酷評された深いわけ

みんなのレビュー:奈落/古市憲寿

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当初は「パクリ疑惑」も…酷評ぶりがネットで注目 古市氏の芥川賞落選ツイートには、「面白い」「読後感が心地よい」「自分を重ねて読んだ」などとファンの声援も多く、書評などではセカイノオワリ・藤崎彩織や政治学者の三浦瑠麗氏、書評家の豊崎由美氏や大森望氏も賛辞をおくっています。 一方で、芥川賞選考委員のプロ作家たちは厳しい評価。 そのひとつの要因は、古市氏の小説が「参考文献」として、木村友祐氏の小説「天空の絵描きたち」(『文學界』2012年10月号掲載)を挙げていたことで、複数の選評が「天空の絵描きたち」との関連をネガティブに指摘していたのです。 『文藝春秋』に載った酷評のキャプチャとともに投稿されたツイートには、1万を超えるイイネやリプライが付きました。 要するに、古市氏の小説が選考委員たちにこっぴどく酷評されて、「パクリ疑惑」まであるようだ……ということを、「ザマーミロ」と喜んだ人たちがたくさんいたわけですが、日頃から「なんかテレビでの古市、気にくわない」ということで、作品を読んでいない人も多いと思われます。 文藝春秋2019年9月号 8名の選考委員のうち4名が参考文献の件に触れていました。 山田詠美氏は、参考文献の「天空の絵描きたち」を<候補作よりはるかにおもしろい……どうなってんの?><いや、しかし、だからといって、候補作が真似や剽窃に当たる訳ではない。 もちろん、オマージュでもない。 ここにあるのは、もっとずっと巧妙な、何か。 それについて考えると哀しくなって来る>としています。 山田詠美氏と同様に<わたしは悲しかった>と評したのは川上弘美氏です。 川上氏は「古典」ではない小説が参考文献にあげられていることに驚き、その作者である木村友祐氏の声がそのまま古市作品の中に消化されず響いていると、強い影響を指摘。 <小説家が、いや、小説に限らず何かを創り出す人びとが、自分の、自分だけの声を生みだすということが、どんなに苦しく、またこよなく楽しいことなのか、古市さんにはわかってないのではないか> <古市さんのおこなったことは、ものを創り出そうとする者としての矜持にかける行為であると、わたしは思います>と綴っています。 吉田修一氏は、<本作に対して、盗作とはまた別種のいやらしさを感じた。 ぜひ読み比べてほしいのだが、あいにく『天空の…』の方は書籍化さえされておらず入手困難であり、まさにこの辺りに本作が持ついやらしさがあるように思う>と厳しく指摘。 これらの選評に対してSNSでは、「パクリよりタチが悪いと言われているようなんだけど……」、「出版されていない小説を探して翻案して小説を書いたなんてヤバい」「『え、なにがいけないんですか~』って、言ってる顔も思い浮かぶわ」などと多くの声が飛び交いました。

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『奈落』古市憲寿 試し読み4万字

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【内容情報】(出版社より) ステージから落ちた歌姫は、かつて手にした全てを失った。 圧倒的な孤独と絶望の果てを照射する、運命のドラマ。 17年前の夏、人気絶頂のミュージシャン・香織はステージから落ち、すべてを失った。 残ったのは、どこも動かない身体と鮮明な意識、そして大嫌いな家族だけ。 それでも彼女を生かすのは、壮絶な怒りか、光のような記憶か、溢れ出る音楽かーー。 生の根源と家族の在り方を問い、苛烈な孤独の底から見上げる景色を描き切った飛翔作。 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 17年前の夏、人気絶頂の女性シンガー・香織はステージから転落し築き上げてきたものをすべて失った。 残ったのは全身不随の身体と鮮明な意識、そして大嫌いな家族だけー。 【著者情報】(「BOOK」データベースより) 古市憲寿(フルイチノリトシ) 1985年東京都生まれ。 社会学者。 慶應義塾大学SFC研究所上席所員。 日本学術振興会「育志賞」受賞。 2018年、初の小説単行本『平成くん、さようなら』(文藝春秋)を刊行。 翌年の『百の夜は跳ねて』(新潮社)とともに二作連続芥川賞候補作となり話題を呼ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 奥深い小説。 のりこ0116 評価 5. 00 投稿日:2020年01月06日 主人公が感じる怒りや絶望の中に、生と死を感じました。 主人公と家族の交錯する感情がまた複雑で読み応えがありました。 時々恐かったけど。。 悔しさや許せなさ等の耐え切れない負の感情て、的外れかもしれないけど、ハングリー精神てゆーか、ここを打破してやる!生きてやる!に似ているなって思いました 奈落はもっと過酷な世界観ですが、、。 もう憎しみもない、諦めに、という感情は穏やかになると同時に、全てに対する失望として光を失うのかな。 けれど、苦しみからは解放されるのかな。 色々考え出すと収集つかなくなりますが、今一度生死を考える機会になりました。 0人が参考になったと回答•

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【中瀬ゆかりのブックソムリエ♪】古市憲寿さん著『奈落』

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紹介したのは…古市憲寿さんが書かれた『奈落』 古市憲寿さんは、コメンテーターとしてもお馴染みの社会学者。 2018年、初の小説単行本『平成くん、さようなら』(文藝春秋)を刊行。 翌年の『百の夜は跳ねて』(新潮社)とともに、2作連続芥川賞候補作となり話題を呼んだ。 新刊『奈落』は、3冊目の小説作品。 人気絶頂のミュージシャン・香織はステージから転落する。 目覚めると意識はしっかりあるが体が全く動かず、 言葉を発することさえできない。 目の前には大嫌いだった家族が優しいふりをして香織に接する。 思いどおりにならない家族と自分への怒り、 それでも生きなければならない香織の孤独が描かれた作品。 「生き方も死に方も、自分で決めたい」そう考えているという古市さんが、 「自己決定が奪われたらどうなるのか」をテーマにした。 絶望感に満ちたストーリーの主軸は、「近代家族のほころび」。 家族であるがゆえの怖さや、家族だからこそどこまでも残酷になれる・・・ 『奈落』は、定価1540円(税込)で発売中!•

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