ラーメン発見伝。 [久部緑郎×河合単] ラーメン発見伝 第01

ラーメン発見伝(26)(最終巻)

ラーメン発見伝

個人的なメモを兼ねて。 全話ネタバレ。 ・第1杯「ラーメン、会社員、現る!! 」 記念すべき第1話なのにあまり面白くない… のだが、この第1話で転任した前課長の挿話が最終巻の伏線になっている。 ・第2杯「、!? 」 小池さん、有栖さんの初登場。 実は、有栖さんがラーメンを食べて「顔」を見せるのは、この初登場の回が最初で最後である。 ・第3杯「ラーメン小学生vs藤本!? 」 祐介の初登場。 それだけの話だが、終盤の話の展開に捻りが利いている。 ・第4-5杯「課長の宿題、無理難題!? 」 四谷課長の初登場。 ソバの愛好家である醤油メーカーの社長に、ラーメンにおいても醤油の質が重要であることを伝える。 醤油ラーメンでなく豚骨ラーメンを食べさせ、脇役だからこそ重要だという逆説を披露。 ・第6杯「職人芸とラーメン魂」 このあたりからだんだん面白くなってくる。 老齢で往年の職人芸をふるえなくなり、引退を考えていたラーメン職人に機械の導入で対応する話。 藤本の「オヤジさんは職人芸を見せたくてラーメン屋やってたわけじゃないでしょ? お客サンに美味しいラーメンを食べさせたくてやってたんじゃないんですか!? 」という結論も見事。 『』の第1話もこういう話でしたね。 ・第7-8杯「繁盛店のしくみ」 言わずと知れた傑作回。 芹沢さんの初登場。 「いいか、ひと言忠告しといてやる。 オマエはただのラーメン好きとしては、味をわかってるほうだ。 しかし、プロを目指す身としては、なにもわかってない。 ラーメンのことも客のことも商売のことも、なにもかもだ。 」からはじまる一連の台詞は名言。 「ヤツらはラーメンを食ってるんじゃない。 情報を食ってるんだ!」。 本作がボンクラ社員の藤本と、リアクション役の佐倉さん… という『』の派生型に終わることがなかったのが、この回と芹沢さんの存在。 に経営面の視点を入れた画期である。 実際、今後も芹沢さんの登場回は傑作回が多い。 小池さんの「お客サンにはできるだけ情報を食べさせたくない。 ラーメンだけを食べてもらいたい。 評価の言葉は「うまい」か「マズい」だけでいい……」も名言。 「うん、藤本クンはラーメン屋が虚しいって言ったけど、キミが今、本当に感じているのは、答えが見つかっていない自分への虚しさなんじゃないかな。 藤本は牛脂(ペット)の代わりにネギ油を使った改良型の「鮎の煮干しの濃口ラーメン」を作る。 こってりだが鮎の煮干しの風味を感じることができ、客を味に目覚めさせることができるかもしれない。 こちらの方が理想を実現する戦略としてはスマートだという藤本に対し、芹沢は返す言葉もない。 理想と現実が激突する、単体としても傑作の話。 この主題はラーメンだけではなくあらゆる創作物に付きものの問題でもある。 この問題が最終巻、芹沢と藤本の最終決着までの導線になる。 そのレシピを再現したはずが、かつての常連客たちには大不評だった。 それというのも、戦後から高度経済成長期を経て、ラーメンの味はドラスティックに向上していたからだった。 ・第10-11杯「塩の秘密」 傑作回。 芹沢さんの再登場。 「いやあ、藤本クン… やっぱりキミは実に優秀なラーメンマニアだ。 」「え…?」「プロとしてはキツい… ということさ。 藤本と芹沢のマニアとプロの戦いの始まり。 納得できない藤本に芹沢は塩ラーメンで勝負を挑む。 麺、スープ、具のすべてに最上のものを使った藤本のラーメンは、全体としてはアンバランスなものだった。 それゆえに芹沢は味のはっきりした塩ラーメンで勝負を挑んだのだった。 名言である。 ・第12杯「小池さんの技」 ナルトの初登場。 ・第13杯「大衆料理の味」 フレンチのシェフに自作のラーメンを否定されてしゃかりきになる若者に、本来、フランス料理は大衆料理であることを気付かせ、「ポー・サレ」の技法を教える。 ・第14-15杯「トンコツ」 豚骨ラーメン回。 「どんたく亭」と津田親子の初登場。 「もう典型的なトンコツラーメンは、九州以外では通用しなくなってしまったからです。 」という豚骨ラーメンブームへの問題提起。 豚骨ラーメンブームの結果、東京を中心とするラーメン店はコクのあるスープに注力しはじめたが、その中で豚骨ラーメンだけはダシに豚骨を使いつづけざるを得なかったという逆説。 で、ラーメン勝負。 「札幌には本当にうまい味噌ラーメンなんて存在しません。 なぜなら、どの店も味噌ラーメンの持つ構造的欠陥に気づいてないからです。 」という味噌ラーメンへの問題提起。 「つまり、味噌という調味料はうますぎる……それが味噌ラーメンの最大の魅力であり、最大の弱点なんです。 で、ラーメン勝負。 「味噌だまり」を使った強いタレで勝利。 ちなみに、ここでライバル店が審査員を買収しているが、味の優劣が明確だったためあっさり反故にされている。 ・第20杯「跡継ぎの条件」 味を守る従業員より味を改良する従業員の方がいい従業員という話。 ・第21-22杯「コンペ勝負!! 」 傑作回。 醤油ラーメンで芹沢さんとラーメン勝負。 スープの味わいを出すための醤油ダレの減量、かつ、必要な塩分量を補うための塩の追加… という味の勝負を芹沢さんの一言がすべてひっくり返す。 「審査など必要ない。 このコンペ、オレの勝ちだ。 「レギュラーメニューなのに、一年を通して出せないラーメンを持ってくるとはな。 」「まだプロになる気があるのなら、覚えておけ。 厨房だけがラーメン屋のすべてではない!」。 ・第23杯「祐介の初恋」 片山夫妻の初登場。 このあたりから行く先々で殺人事件の起こる『』よろしく、行く先々で脱サラして開業したラーメン屋に出会うことになる。 ・第24-25杯「夫の味」 ホロリとくるラストの光る 佳作回。 ・第26杯「伸びない麺!? 」 「どきゅん」と武田さんの初登場。 というか再読してビックリしたけど、野獣野獣と言われる武田さん、卒じゃん。 麺が伸びるというボリューム重視のラーメンの欠点を、麺の加水率を上げることで解消。 ・第27-28杯「ネットバッシング」 「大野屋」と大野さんの初登場。 芹沢さん回。 「ラーメンオタク特有の幼児性」とか言いたい放題。 ・第29杯「陳さんの悩み事」 「中華料理店のラーメンスープには、共通した構造的弱点があるからなんです。 」という、スープが他の料理と兼用のため味が弱い中華料理店のラーメンの問題を、ダブル・スープを使うことで解決。 ・第30-34杯「日本・台湾、麺勝負」 本作で初の大長編。 「日式ラーメン」ブームに沸く台湾だが、日台での味覚の違いにより、藤本らは理想と現実のギャップに直面する。 」 ・第35-36杯「プロとア」 芹沢さんとの塩ラーメン勝負。 塩ラーメンには塩ダレが必要だというを指摘され、ただ香りづけした塩を加えただけの芹沢に敗北。 ・第37杯「常識と非常識」 佳作回。 スープはどんぶりから直接飲むほうが旨いというかつての常識に対し、スープに油を浮かした二層構造のスープ… ひいては多重構造型のスープではレンゲを使わなければ味がわからないという新常識をぶつける。 ・第38-39杯「天才、現る!? 」 天宮の初登場。 やっていることは悪辣だが、性格は素直、情報公開をモットーとするという癖のある人物造形。 ・第40杯「出前狂想曲」 麺は伸びるし、スープは冷めるという出前ラーメンに付きもののまずさを、麺とスープを分けて出前することで解決。 ・第41杯「ラーメンの流儀」 和食・イタリアン・フレンチ等からラーメン屋への異業種参入の課題。 ラーメンがわからないことではなく、異業種参入ゆえにラーメンの既成概念に囚われることが問題。 ・第42-43杯「つけ麺の弱点」 芹沢さんとのつけ麺勝負。 麺とスープの温度差というつけ麺の弱点に対し、冷やしつけ麺を改良することで対応した藤本だったが、芹沢はフレンチ等のデザートを応用し、つゆを熱く、麺を冷たくすることでドラスティックな改善を施す。 そして、既存のつけ麺の改良に留まった藤本を所詮マニアと冷笑するのだった。 スープ切れは店の人気の証明などではなく、ただ店の怠慢の証拠に他ならない。 」 ネット、テレビ、雑誌等のメディアには頻繁に登場するため名店に見えるが、実際には流行っていない。 ・第46杯「ネギの憂鬱」 ネギ批判。 ただの薬味にしては癖の強すぎるネギをラーメンに入れているのはただ慣習という理由しかない。 つまり悪習である。 ・第47-48杯「天宮、再び!! 」 天宮の再登場。 ・第49杯「ザルの秘密」 湯切りにおける振りザル、平ザルの一長一短の話。 ・第50-52杯「ラーメン紀行!? ネットにもときどき画像が貼ってある外食産業のセオリーの回。 「「1時間が30分より長いとは限らない」。 オマエに、この言葉の意味がわかるか?」。 店内で待たされる方が行列で待つより不快感を覚えるという逆説。 「「うまいラーメン」で満足しているのは、アに過ぎない。 「うまい店」を目指してこそ、プロなのだ。 ・第55杯「記憶を取り戻せ!? 」 記憶喪失の手がかりを求めて謎のラーメンを探すトンデモ回。 『相棒』とかにもときどきこういうトンデモ回がありますよね。 という奇習の紹介。 ・第56杯「季節とレシピ」 レシピは季節によって変動するという話。 勉強になる。 ・第57杯「ブランド麺!? 」 ・第58-59杯「油の魔術!? 」 芹沢さんとのラーメン勝負。 新メニュー開発で藤本はダブル・スープの配合を変えることで醤油・味噌・塩ラーメンの鼎立に成功するが、芹沢は香味油で7種類のメニューを実現するのだった。 芹沢がプロデュースした店の店主が4種類のスープに7種類の香味油で28種類のメニューを謳って勝手にコケる展開がウケる。 ・第60杯「評論家に貴賤あり!? 」 本作で初めての後味の悪い回。 『相棒』とか『TRICK』とかにもときどき狙って後味の悪い回がありますよね。 ・番外編「スープが冷めた日」 傑作回。 10回読んで10回泣いた。 芹沢さんの理想の挫折の話。 詳細はよくネットにアップされているのでいいだろう。 ちなみに、この回は帳簿がすべてコマ内に書かれている。 そのために芹沢さんの苦悩がより一層伝わる。 単体で読んでもいい超傑作。 かつて他の料理と並んでいたラーメンだが、ラーメンが料理として確立すると、サイドメニューとして他の料理がふたたび必要とされるようになった逆行現象。 ・第62杯「夢と現実のあいだ」 ・第63杯「いい店の条件」 店作りの話。 ・第64杯「エセ清湯!? 」 ・第65-66杯「魅惑の夏野菜対決!! 」 芹沢さんとのラーメン勝負。 料理のプーマを載せるという常識ののラーメンを作った芹沢に藤本が敗北する。 「「つけ麺のコンペの時もそうだし、「麺 朱雀」と「らあめん大河」がぶつかった時もそうだが… オマエがやってることはいつも、既成のラーメンの構造に乗っかって、細部をチマチマ改良してるだけだ…」「だが、ラーメンに限ったことではない。 新しい何かとか、構造を疑い破壊することなくしては生まれないのだ!」。 ・第67杯「テレビの現実」 片山さん暴走シリーズ第1弾。 ・第68杯「味付けのワナ」 和食・寿司・フレンチ・イタリアンからラーメンへの異業種参入がうまくいかない原因。 コース料理の慣習でスープを作ると、一品料理のラーメンには味が不足する。 シリーズの転機。 ・第70杯「小池さん、廃業!? 」 よくネットに画像が貼られる芹沢さんのクレーム云々の台詞がある。 ネットに貼られている画像はコラで、実際は「いいか? 行列店にわざわざクレームをつけてくるようなヤツは、無能ゆえにヒマを持て余していて、そのくせ無闇にプライドだけは高く、嫉妬深いクズのような人間だ。 」というもの。 しかも「そんなクズに甘い顔を見せてはつけ上がらせるだけにしかならない。 そこで商店会々長を金で懐柔し、クズどもを黙らせてしまうって寸法だ。 クズは、力を持ってるものにはからきし弱いからな。 」という実際的なアドが続く。 というわけで、行列問題の話。 ・第71杯「リストラの味」 家庭で作れる美味しいラーメンを紹介してくれる。 ・第72-73杯「ラーメン刺客!! 」 芹沢さんの部下と麺でラーメン勝負。 藤本を鍛えようという芹沢の親心。 ・第74杯「スパイスの役割」 卓上コショウ批判。 臭い消しのコショウはラーメンの風味を飛ばしてしまう。 にも関わらず、ただ慣習で卓上コショウを置くのは悪臭でしかない。 さらには味を際立たせる有用なスパイスを開発。 ・第75杯「ダメ従業員矯正法!? 」 ・第76杯「修行のススメ」 煮込むのに3日かかるスープを定常的に生産する方法。 地味に面白い。 本作はここまでで第1部としていいだろう。 ・第80-86杯「「ラーメン・マニア・キング」編」(編者による仮称) 長期連載では逃げの一手と言われる大会。 それもラーメンとは直接の関係のないクイズ大会とは、いよいよネタ切れではないか。 それも巨乳ギャルの響子ちゃんの登場に、という露骨なテコ入れでは… と思わせておいて、かなり面白い。 響子ちゃんは初戦で脱落。 感じの悪いラヲタの岩破が準決勝進出。 さらには準決勝でもラーメンに興味のないクイズマニアが盤外戦術で決勝進出と予想できない展開に進む。 この岩破のキャターがとてもよく、感じの悪いラヲタで、いい人間ではないのだが、その孤独感が描写され、感じの悪いラヲタのまま感情移入してしまう。 これはもう『』ですよ。 ラヲタのである宮部さんの負けられない理由も描写され、大会モノとして理想的な展開で進む。 よくネットに貼られる迷惑な常連客の画像の出典はここ。 というわけで、響子ちゃん、千葉さんの初登場。 ・第87-88杯「自分のラーメン」 傑作回。 芹沢さん回。 「まだオマエに店は持てないってことをコンペでハッキリ教えてやる。 「思うに、これまでオレとのコンペで出してきたラーメンもなかなかだ。 だが以前、オマエの屋台で食ったラーメンは、うまいことはうまいが保守的でおとなしい味だった……」「つまりオマエはラーメンの知識も技術も豊富なだけに、何らかのテーマを与えられたら相当なレベルでこなすことはできる。 だが、今回オレがそうしたように自らテーマを生み出すことはできない。 前回のようなラーメンしか作れない……」「どうしてだと思う?」「要するに、オマエには本当に作りたいラーメンがないんだよ!」。 佐倉さんとの場面も凄い。 「…会社勤めしていて自分の人生に心から満足してる人ってあまりいないと思うんです。 アタシもそうだけど… たいていの人は、誰にも命令されず、誰にも頼らず、自分一人の力で生きていく人生に憧れてる…」「藤本サンは、会社を飛び出して、まさにそういう人生を歩もうとしているワケでしょ? 藤本サンはあたしのヒーローだし、目標なんですよ!」。 余談ですが、藤本と佐倉さんはと栗田さんを意識しているように思いますが、その2人の関係性と違って藤本と佐倉さんは割とよく同じ顔をしているのがかわいいですね。 ・第89杯「原点」 響子ちゃん元カレシリーズ第1弾。 『地獄先生ぬーべー』の後期も大長編の後の短編がすごく面白かったりしましたよね。 ・第90-91杯「チェーン店の仕組み」 佳作回。 個人経営店のように100点のラーメンを出すことはできないが、80点のラーメンを数万人/日の客に出すことができるという・チェーンの一長一短の話。 オペレーションとセントラル・キッチン方式による効率化。 その2つの制約をクリアした新メニューを開発。 あくまで80点のラーメンは結果であり、数万人/日の客に100点のラーメンを出すことができれば、それに如くはないという結論もクレバー。 ・第92-93杯「好きな味、好きだった味」 最悪の第一印象からの人物描写。 やっぱりこれは『』ですよ。 ・第94杯「歌舞伎町ラーメン店の謎!? 」 佳作回。 繁華街ではなく歌舞伎町クラスのマンモス繁華街だと時間当たり通行量がまた変わってくるという話。 ・第95-96杯「銚子港フェア」 芹沢さん回。 「自分のラーメン」の後で初となる芹沢さんとのラーメン勝負。 「だが、我々ラーメン職人がそうしたスープの進化にばかり熱中していたために… タレの進化は、この10年ほどまったく停滞してしまっていたのではないかと思うのです。 」というタレの問題提起。 藤本が芹沢のヒントなしで、自力でタレという構造的問題を発見し、ようやく同等の地平に立つ。 ・第97杯「シメの一杯」 佳作回。 飲酒後など体調によって味覚は変わるという話。 飲酒後は炭水化物と塩分が欲しくなるらしい。 ・第98杯「オカルト・ラーメン」 片山さん暴走シリーズ。 ・第99杯「スープと水の間柄」 響子ちゃん元カレシリーズ。 水の硬度の話。 しかし、ラーメンがテーマの本作で、さぬきうどんがテーマの大長編がはじまるのはどうかしているとしか言いようがない。 『 全国大会編』でも、寿司がテーマなのに登場人物たちが一斉に駅弁を作りはじめる迷走がありましたね。 この巻から六麺帝との勝負がはじまる以前の第20巻までを第2部としていいだろう。 ・第100-101杯「激突! 千葉vs. 藤本」 千葉さんの再登場。 ラーメン・スープの五大定番食材を使わないというラーメン勝負。 千葉さんが「既成のラーメンの改良」という負けパターンにハマって負ける。 ・第102杯「子連れマニア」 原作者の両先生が子供嫌いなことが伝わってくる。 ・第103杯「コスト・ダウン」 傑作回。 ラーメン1杯500円の昔ながらのラーメン屋が、近所に1杯380円の激安ラーメン・チェーン店ができたことで経営危機に陥る。 第11巻の「楽麺亭」チェーンの社長が再登場してアド。 藤本らはコストダウンのために試行錯誤するが、その結果は「安くてうまいラーメンを作るのは不可能」というものだった… なぜなら、現代において「うまいラーメン」というのは1杯700円ほどの新店のラーメン。 一方、「安いラーメン」というのは他のファストフードと同様の値段のチェーン店のラーメン。 「安くてうまいラーメン」は両立しないのだ。 当然、価格競争で個人経営店は大資本には勝てない。 そこで、藤本は「高くてうまいラーメン」に経営方針を転換するように勧めるが… 「いい潮時かもしれないなぁ…」「アンタらみたいな若い人達と違ってさ… オレぐらいのトシになると、もう、今さら「安くてうまいラーメン屋の親父」以外になれって言われても無理なんだよ…」。 テーマとキャターの合った名言。 大号泣。 単体で読んでもいい傑作。 ・第104-108杯「さぬきうどん編」(編者による仮称) 響子ちゃん元カレシリーズ。 ラーメンがテーマなのにさぬきうどん編なのはどうかしている。 藤本の上司役となる。 ・第109杯「アクション湯切り」 片山さん暴走シリーズ。 ・第110杯「リニューアル対決!! 」 前巻103話の「めんめん食堂」を芹沢さんがテコ入れ。 外観をリニューアルしただけで500円のラーメンが850円で売れてしまう。 ブティックで5000円のセーターが売れ残ると、2万円に値上げして売り切ってしまう。 ・第111杯「女性客に優しい店」 ・第112杯「ラーメン・テーマパーク始動」 葉月主任初登場。 ここから話の主な舞台は自然食レストラン「だいゆう」からラーメン・テーマパークに移る。 ・第113杯「デパート売り上げ勝負!! 」 藤本と葉月主任の売上勝負。 催事場への仮設店舗では作業効率の対策をしなければならない上、需要予測の不透明さに対応し、さらにはコンセプトをはっきりさせるために品数を絞らなければならない。 というわけで藤本は完敗だったが、アンケート調査の結果… ひいては予想されるリピータ率では圧勝だったため、拮抗する結果となる。 ・第114杯「古き良き時代の味」 懐古心に耽る、数十年ぶりに帰郷した建築家に「昔ながらの中華そば」を食べさせて叱咤激励する。 「これぞまさしく「昔ながらの中華そば」だよ。 だが、しかしながら…」「今 食うと… 恐ろしくマズい。 今時の「昔ながらの中華そば」はあくまで「レトロ・コンセプト」だが、それには理由があったのだ。 『 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』ですね。 俺も劇場で見て泣いて、テレビで再放送を見てまた泣いた。 ・第115杯「テキサスラーメン」 ・第116-117杯「ト・ブランド」 千葉さん回。 本店と支店の距離が近く、他の店舗と集居するラーメン・テーマパークで千葉の「神麺亭」が経営危機を迎える。 池袋は埼玉県の一部。 支店をト・ブランドにすることで解決。 「オレは、経営者である前にラーメン職人だ!! 」/「なにがラーメン職人よっ!! いい年したオヤジが青くさいこと言って、バカじゃないの!? 千葉と葉月が和解しないまま終わるのがよい。 やはり『』では。 ラーメン店のスープの温度は75-80度ほどだが、一般にスープの温度は60度ほど。 それ以上の温度では風味も何もあったものではないという問題提起。 だからスープを味わうために60度のスープでラーメンを出すという変人店主に遭遇。 「ラーメンという料理がクラシックやフレンチに近いものなのか、ロックに近いものなのかというと、これは言うまでもないと思うんです。 」という藤本の回答もクレバー。 ・第119杯「夢のビジネス」 響子ちゃん元カレシリーズ。 いわゆる「クリエイティブ」批判だが、「それにしても………家も財産もあるのにあんなつまんない仕事に人生捧げるなんて、日本人は人生楽しむのが下手っていうか、なんていうか…」「でも、ああいう裸一貫から成り上がった人って、あるクラスの人達が憧れるのが分かりますよ。 ボクなんかは違いますけど…」の台詞にも力が入っている気がしてならない。 芹沢さんがチョイ役で登場。 ・第120-121杯「冷やしラーメン勝負」 芹沢さんとの冷やしラーメン勝負。 藤本がかき氷を作っているときの芹沢さんの「こいつヤベーな」という顔が笑える。 ・第122-125杯「幻の博多屋台ラーメン」 根津常務が第一印象が最悪だからいい感じの人情オチがつくのだろうと思わせておいて、人情オチはつくが別に人格までは肯定されない。 やっぱり『』じゃないですか。 ・第126-127杯「FC店の不正を暴け」 ゴミから割箸を集めて売上を調べる辛気臭い話。 真恭麺亭」 ・第128杯「父のラーメン娘のラーメン」 どんぶりで味の印象が変わるという話。 「器が小さい」という理想的な駄洒落オチ。 ・第129-130杯「激対決」 芹沢さんと激勝負。 既存の激はラーメンにラー油を浮かせたものでしかないという激批判。 ・第131杯「ラーメン本詐欺事件発生!? 」 15巻目にしてようやくふたたび有栖さんの「」顔が出る。 ・第132杯「若き実力派店主の悩み」 佳作回。 響子ちゃん元カレシリーズ。 5回目にして今カレという捻りを加えてくる。 それがオチになるのだが。 スープはラーメンの中で最大の時間と費用がかけられている部分だが、奇妙にも、スープは残すのが習慣になっているという問題提起。 この回を読むと、もう「完飲。 ごっそさん!」を馬鹿にはできない。 かけソバ・かけウドンなど、日本における麺料理の習慣に加え、それらより味の濃い400-500ccのスープは完飲することはできない。 半ライスを足し、しかも、雑炊の手順を示して客の参加を促すという解決もクレバー。 ・第133-134杯「危うし!! ラーメン・テーマパーク」 初めての四谷課長の怖い顔。 ・第135-137杯「恭麺亭VS. 真恭麺亭」 フード・をはじめた天宮とラーメン勝負。 芹沢さんが審査員。 芹沢さんの天宮評がキレてる。 「不安なんだろ? キミ、東大中退なんだってな。 東大時代は、黙ってても周りが「凄いね」「頭いいね」って持ち上げてくれただろうが、今は、わりと稼ぎのあるフリーターってぐらいのもんだ… 自分から「ボクって凄いでしょ」「有能でしょ」って周りにアピールして承認してもらわないと、落ち着かないんじゃないのか? 優等生にはよくあるパターンだよ。 天宮が供給の問題という負けパターンにハマって負ける。 」 ・第138杯「麗しの女性アルバイト!! 」 ・第139-142杯「熊本編」 ・第143杯「屋台ラーメン勝負!! 」 篠崎さん初登場。 藤本の恋敵になる。 ・第144杯「佐倉の想い」 ・第145杯「芸能生活40周年記念ラーメン」 ・第146-147杯「ラーメンで女心を掴め!! 」 佳作回。 藤本と篠崎が女性向けラーメン勝負。 いわゆる女性のアッサリ好み・少食は実態ではなく、若い人間は男女とも油分・塩分・ボリュームを求めている。 必要なのはその外面だけ。 「藤本クンのラーメンは確かに美味しい。 相当なレベルだ。 しかし、アッサリ好きでヘルシー指向という、どこにも存在しない幻想の女性に向けて作ったものでしかないんだよ。 沖縄ラーメン!! 」 ・第148-149杯「老舗ラーメン店の謎」 傑作回。 ネットによく画像が貼られているので、内容は皆さんご存知でしょう。 芹沢さんのシビアさが光る傑作回。 ちなみに、芹沢さんはここで垣間見える経営哲学を続編の『ラーメン才遊記』で実践している。 芹沢さんほどの能力で、従業員数5人(芹沢を除く)の会社ならワンマン経営の方が効率がいいだろうが、社員にかなりの裁量を与えている。 ・第150杯「ラーメン・マニア大暴走!! 」 ・第151杯「昼ラーメン・夜ラーメン」 昼間営業と夜間営業で店のコンセプトを変える「昼夜系」の話。 ・第152杯「想い出の東京ラーメン」 佳作回。 響子ちゃんのおばあちゃんのため、戦後復興期の東京のおじいちゃんとの思い出のラーメンを再現する。 おばあちゃんが美味という謎の調味料は砂糖だった。 砂糖が貴重品だった当時、砂糖の単純な甘味は多くの人の喜びだったのだ。 歴史による味覚の変遷に、ホロリとする人情オチに加え、二段オチも利いている。 ・第153-156杯「沖縄編」 篠崎とラーメン勝負。 」 ・第157杯「味オンチはどっち!? 」 ・第158-160杯「「中華18番」編」(編者による仮称) ・第161杯「オープン初日の大騒動!! 」 ・第162-165杯「芹沢対篠崎・藤本:Wテイスト・ラーメン勝負」(編者による仮称) 芹沢さんと篠崎・藤本のラーメン勝負。 番組のディレクターにの負けを頼まれた芹沢は、あっさりと承諾する。 普段は客には出さない少数派向けのハイブロウなラーメンを作り、最高のラーメンを出しながらもあえて勝負に負け、篠崎・藤本に敗北感を味あわせるのだった。 」 ・第166杯「ラーメン店 店主の心得」 卸業者からの食材のチェックの話。 ・第167杯「店員採用の条件は何!? 」 客にオススメを教えるのも店員の裁量と責任という話。 ・第168杯「藤本推薦のお店!? 」 ・第169-172杯「青森編」 辻井係長が転任。 葉月さんが係長に昇任。 みたいな顔のオッサンとの兄弟間の因縁の話が渋い。 ・第173杯「自家という名の魔法」 片山さん暴走シリーズ… というほど暴走はしていない。 業界ゴロの神代の初登場。 自家を謳って業務用スープを使い、利益率を上げるイメージ戦略。 ・第174杯「店舗拡張に潜む罠」 席数が増えて行列がなくなると、かえって客数が減るという逆説。 そのために席数を減らすことを提案する藤本が矛盾を指摘される。 」 この巻あたりから勧善懲悪の話が多くなってネタ切れ・マンネリ化が目立つ。 ・第175杯「神代の悪事を阻止せよ」 ・第176-177杯「小菅一族の顛末」 ・第178-182杯「和歌山編」 進藤の初登場。 佐倉さんの恋敵になる。 「フフ… 女の子二人と出張なんてオイシイ思いしてるんですから、少しは苦労してもらわないと…」。 こういうメタ的な作劇はいいですね。 」 のラーメン・テーマパーク「六麺帝」ができて藤本らダイユウ商事のラーメン・テーマパークは経営危機に直面する。 藤本と芹沢との直接対決が掉尾を飾る、国内最高と称される「六麺帝」の6店とラーメン勝負6戦を行うことになる。 ここからを第3部としていいだろう。 ・第184-185杯「六麺帝編プロローグ」(編者による仮称) ・第186-189杯「六麺帝編第1戦:スープOFF対決」(編者による仮称) ・第190-191杯「「花輪つけめん亭」騒動」 片山さん暴走シリーズ最終回。 ・第192杯「つけ麺の功罪」 大野さんがダークサイドに堕ちる。 「スープ切れ」と称してラーメンを出さず、客の回転率の高いつけ麺だけを出品する。 こんな大野さんは見たくなかった。 野性」 ・第193-197杯「六麺帝編第2戦:札幌・醤油ラーメン対決」(編者による仮称) 「中華すいれん」の三原が芹沢に「ハゲ」の暴言。 ハゲ呼ばわりされると動揺するという芹沢さんの弱点が発覚。 「なにスカした理屈こねてんだ、このハゲ!」。 別にハゲではなく髪の毛がラーメンに落ちないように剃っているらしい。 芹沢さんが後攻の有利を活かして、先攻を上回るトを持つ味付けに変えるという盤外戦術を使う。 「そんなことは、」「ま」「っ」「た」「く」「あ」「り」「ま」「せ」「ん。 」(ムカつく顔)。 ・第198-201杯「六麺帝編第3戦:ニンニク対決」(編者による仮称) 武田さんが出場。 「ウチのラーメンに載ってるのが、ただの刻みニンニクだと思ってんのかってことよ。 」(ニヤリ)「こりゃ楽勝だ。 安心したぜ。 からの芹沢の「ただのハッタリだよ。 」「あれがただの刻みニンニクじゃないというなら、オレはラーメン屋を辞めてもいい。 」の流れが爆笑。 武田さんが味の強いスッポン・ニンニク・トウガラシの強烈なラーメンを先攻にして、後攻の中嶋のラーメンの味が分からなくする盤外戦術を使う。 ちなみに、まともに勝負していても武田の勝ちだったため、ただ自分たちの評判を落としただけというオチがつく。 『』じゃなくてよかった。 「だからオレは先に出したんだ おまえの料理を台無しにするためにな!」「甘いスープは 飲めばあとはなにも食いたくなくなっちまう幸せな満足感が腹を満たす値千金の「糖水」だ おまえの料理なんか誰も食わねーよザマーミロ ハハハハハハ」(これ、主人公はこのあとどうやって逆転するの?)。 行くところまで行った。 トンデモ回。 髪の長短は衛生面には関係なく、むしろ長い方が料理に落ちても気づくことができるだけマシという話。 ・第203-207杯「長野編」 神代と決着。 客を軽視した神代が勝手にコケただけ。 顔の作画も微妙に変わってるし。 ・第208杯「名前の落とし穴」 佳作回。 クソ真面目な和食職人が「半熟煮玉子」の製法が分からずに思いつめて廃人寸前までいく。 「の煮玉子」の駄洒落オチもこれしかないという感じ。 ・第209-210杯「激辛シスターズ」 葉月さんの双子の妹が登場。 オチがアブノーマル。 「こういう奴なんだよ。 ラーメンを、ただのモノとしか見ていない…」「だって実際、ただのモノじゃないですか。 ・第216杯「快勝のあと…」 天宮が六麺帝の穴に出店、つまりとうとう開業することになる。 藤本は1人残される。 ・第217杯「ピンチヒッター?」 ・第218杯「アンタが大将!」 藤本が六麺帝との勝負、芹沢と争う最を引受ける。 同時に、会社に正体を明かす。 そして、退職して開業することを決意する。 「ここらで、オレとオマエの最終決着もつけることにするか。 究極と思われた芹沢の「淡口らあめん 極」はただ1つの雑味があった。 「『らあめん清流房』の成功は、オレが客を信じることをやめたところからはじまったわけだ。 」「だが、それからラーメン界も変わった。 今の客なら、オレの理想の味を理解してくれるかもしれない。 そう考え、今回、「淡口らあめん 極」を編み出したわけだが… 確かに、どうしてオレは鶏油なんか入れてしまったんだろうな?」「有栖クンらに指摘されて、気づきかけてはいたんだが… この藤本クンのラーメンを口にして、オレが余計な鶏油を入れた理由がハッキリ分かった…」「藤本クンのラーメンには、一点の迷いも感じられない。 自分がうまいものは、客だって、うまいはずだという信頼感に溢れている…」「しかし、いや、やはり、オレは…」「客を信じ切れなかった…」 号泣。 ・第235杯「万福寺公園の夜」 ・第236杯「ラーメンふじもと」 ・第237杯(最終回)「ありがとうございましたあっ!! 」 芹沢から藤本への餞別。 「店をやるということは、常に時代の嗜好の半歩先を行く姿勢が必要だ。 」「それがもう、今から立ち止まっているとは… 大丈夫なのかね、藤本クン!」。 第1話の伏線回収。 四谷課長が藤本(と佐倉さん)にラーメン関係の仕事ばかり割当てていたのは、前任の課長からの申送りだった。 そして、その通りにしたら、実際に成功した。 こういうメタ的な作劇は大好きです。 前巻からの引きで天宮と新藤がくっついている。 余りもの同士がくっつくメソッドですね。 第1巻の芹沢さんの初登場にはじまり、藤本との最終決着で終わる客への信頼と不信の話はあらゆる創作物に通じる。 理想と現実、才能と努力、などと言換えれば分かるだろう。 芹沢が藤本に親心をみせて、そうと気づかれないように教導していたのは、そうした自分が捨てた理想を藤本に見たからだった。 以上、『』全26巻は傑作と言っていいだろう。 続編に、本作における芹沢さん回傑作選のような『ラーメン才遊記』がある。 より経営面に焦点を当てるとともに、「ラーメンとは何か」の的問いを探究している。 新聞の経済面の外食産業の記事に目を輝かせるような人にオススメ。 snowwhitelilies.

次の

ラーメン発見伝(26)(最終巻)

ラーメン発見伝

ラーメン店は、外食産業の中で、かなり特殊な立場にいます。 まず、修業年限が短い。 日本料理の板前やフレンチのシェフになるためには、十年以上の修行が必要なことも多いものですが、ラーメン屋は、脱サラした人が半年も立たないうちに店を持ったりします。 良いレシピとマーケティングがあれば、それほど修行入らないのです。 だからといって、簡単な商売ではありません。 良いラーメン屋になるためには、それなりに練られた戦略と哲学が必要です。 このマンガの主人公は、いずれはプロのラーメン屋になりたいと思いながら時々屋台を引いている、ラーメン好きのサラリーマン、つまり、アマチュアです。 主人公の前に現れるライバルたちは、いずれも、プロのラーメン屋。 腕前と舌では彼らプロに引けを取らない主人公は、しかし、中々プロのラーメン屋にはなれません。 プロフェッショナルになるということはどういうことか?アマチュアとプロの違いはなにか?グルメというより、次々と展開される作者のプロフェッショナル論が、このマンガの魅力です。

次の

ラーメン発見伝 1巻 河合単・久部緑郎

ラーメン発見伝

昼は典型的なダメ社員、夜はラーメン屋とふたつの顔を持つ。 ラーメンをこよなく愛する男)、佐倉祥子(藤本の同僚。 迎えた会合で審査員・有栖の口から出されたテーマは、「ラーメン百周年に相応しい進化系醤油ラーメン」。 これまでの修業の集大成と意気込む藤本は… (第229話)。 勝てば脱サラ、ラーメン屋開業の道を歩む覚悟だが、果たして勝負の行方は!? ラーメン漫画の最高峰、ここに完結!! 一見だらしないが、かなりのキレ者)、葉月(営業一課の新主任で、藤本の上司。 ラーメン・テーマパーク・プロジェクトを立ち上げる)、芹沢(『らあめん清流房』店主。 フード・コーディネーターの顔を持つ)、進藤マキ(拉麺タイムトンネルサービス部勤務。 ラーメンにくわしい。 上昇志向が強い!? 散々偉そうにラーメンだけを語ってきたわけだが、いよいよそれだけがネタだと行き詰まったといった感じが否めないなぁ。 この漫画の目指す志は高かったが、現実的にラーメンはやっぱりB級グルメかなぁって感じだしな。 つーか、すげー良い素材をいろいろな種類ふんだんに使えばうまいのはうまいんだが、それにそれなりの値段を出すのかどうかってなるとまた別な話になるからな。 最後の方、蕎麦が引き合いに出てたが、蕎麦は、会席料理と一緒に出しても成立するしな。 ラーメンだとそうはいかないが。 この作品でも書かれてるように、群雄割拠魑魅魍魎の感じがするラーメンだと、逆にスタンダードがないわけだから、高級と見てもらいにくい気もするな。 たまたまコミックシーモアで3巻まで無料公開されていたのが読み始めたキッカケですが、気がつけばKindleで最後まで買ってしまう暴挙。 なぜだが俺にはこの漫画はかなりツボだった。 最終巻の芹沢サンとの勝負は本当に見事だと思った。 第1巻で初めて芹沢サンと藤本が出会った時に散々やり込められたロジックこそが、勝敗を分けた。 芹沢サンが言うようにお客の質も変わった(のかもしれない)。 9年という年月がよりそれに説得力をもたせている。 上記の芹沢サンもそうだが、佐倉サン、武田サン、千葉サン、小池サン、四谷課長、有栖サン…その他大勢。 みんな魅力的でした。 だから最後のありがちとも言え全員集合回からの芹沢サンと藤本のやり取りはあぁ2人の物語が終わってしまう……と感傷的になった。 まぁとにかく凄く楽しんだわけです。 後、ラーメンの歴史的変遷というか。 俺個人の話になるが、作中でしょっちゅう出てくる「ニューウェーブ系」と言う言葉だけど、俺が大学生だった2010年(つまり連載終了から1年後)には、このいわゆるニューウェーブ系こそ「普通のラーメン屋」だと思っていた。 作中でちょくちょく出てくる昔ながらのラーメン屋なんてまったく見たことなくて(あるいは眼中になくて)、この漫画が始まった2000年と、終了する2009年でラーメン業界がまた大きく変わったということかなと感じた。

次の