慢性 骨髄 性 白血病 完治。 慢性骨髄性白血病 治療:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

慢性白血病になると余命はどのくらい?

慢性 骨髄 性 白血病 完治

慢性骨髄性白血病(CML)の標準治療 の実際の治療法について説明していきます。 CMLの治療の目的は、 陽性白血病細胞のコントロール(=血液細胞の異常増殖を止めること)と、病気進行の回避にあります。 にはほとんど症状の無いCMLですが、進行して急性転化期になると致命的なことになることもありますので、無症状のうちから治療に当たり、進行を防ぐことが重要になってきます。 現在、CMLの患者さんに対する第一選択薬はイマチニブなどのチロシンキナーゼ (TKI)です。 この他に、根本的にCMLを治す方法として 移植がありますが、TKIに比べて が高く、早期死亡のリスクがあるので、患者さんの年齢や全身状況などを考慮したうえで移植を行うか否かを決定します。 基本的な治療アルゴリズムを以下に示します。 この際の治療効果は、血液所見、フィラデルフィア染色体の残存率、BCR-ABLの残存率など複合的な因子で決定します。 TKIによって、BCR-ABLの働きを封じ込めることに成功しても、TKIを中止すると多くの症例が再発することが分かっています。 ですので、現時点においてはまだ 後もTKIの治療を継続すべきであるとしています。 慢性骨髄性白血病(CML)の薬物治療について CMLの第一選択として用いられているチロシンキナーゼ阻害薬TKIについて説明します。 TKIにはいくつかの種類があります。 以下に示します。 以上の表に示したTKIが比較的よく使われているものです。 この中から代表して第一選択薬であるイマチニブの を説明します。 イマチニブはBCR-ABLチロシンキナーゼのATP結合部位(ATPは細胞内で何かするときに必要になるエネルギーのようなものです)に競合的に結合します。 つまり本来ATPに結合してもらうことでエネルギーを得て、活性を得るBCR-ABLチロシンキナーゼのエネルギーをなくしてしまうということです。 エネルギーがなくなったBCR-ABLチロシンキナーゼは活性を失い、細胞を増殖させる働きが弱まると言う訳です。 また、BCR-ABLチロシンキナーゼというのはフィラデルフィア染色体がある細胞にしか発言していない異常なものですので、正常な細胞に対してイマチニブは何の効果もありません。 ですから、イマチニブは比較的副作用が少ないのです。 ただ、イマチニブは薬価が高く、先発医薬品に比べて廉価といわれるジェネリック医薬品(後発医薬品)でも1日当たり4000円以上の負担になってしまいます。 経済的な理由で服薬を自己中断してしまうケースもあります。 自己中断するとその多くは再発、進行してしまうのでいかに患者さんに正しく飲んでもらうかも重要なポイントです。 薬物療法の副作用 【イマチニブ】 イマチニブの副作用で最も多いのが皮疹です。 そのほか、体液貯留や肝障害、関節痛や筋肉の痛みなどが出る場合があります。 ですが致命的な副作用は少なく、体液貯留などは利尿薬などを同時に服用することによってある程度改善が見込め、イマチニブによる治療を続けることが可能になっています。 ただし、イマチニブはあくまでも であり、根治を目指す治療ではありません。 あくまでも慢性期にとどめることで生存率を挙げることを目標にしたものです。 【ニロチニブ】 ニロチニブの副作用はQT延長(不整脈)や血糖値の上昇や 性心疾患(心筋梗塞や狭心症などです)が低確率(不整脈は2. 不整脈に関しては心電図検査を行うなどして対応します。 高血糖に関しては観察を十分行い、異常が認められたら適切な対応をします。 虚血性心疾患にかんしても、異常や兆候が認められたら速やかに検査を行います。 イマチニブと比較してABLへの親和性も高く、効果も期待できますがそれ以外の副作用が少し多めです。 【ダサチニブ】 ダサチニブの副作用は出血傾向が他のTKIと比べて得意的です。 脳出血や硬膜下出血(0. また、頭痛、咳嗽、下痢や 、発疹なども見られます。 【ボスチニブ】 ボスチニブの副作用として重大なものは、 や重度の下痢、 、体液貯留、心障害、易感染性などです。 肝機能障害は60. 重度の下痢は12. これらの副作用に注意するために観察を十分に行い、異常が見られた場合休薬、減量または中止します。 この他にも、日々新しい薬が開発されています。 今でも一部用いられることもあります。 副作用には発熱や悪寒、頭痛などの症状に加えて骨髄抑制や貧血、脱毛、下血なども見られます。 慢性骨髄性白血病に対する同種造血幹細胞移植について 一般に (CML)に対してはイマチニブでの治療を目指しますが、イマチニブの効果が不十分な(フィラデルフィア染色体が消失しない)場合は、同種造血幹細胞移植の適応となります。 同種造血幹細胞移植では、まず前処置をします。 移植を行う前に、CML患者さんに対して大量の化学療法、もしくは全身放射線照射の組み合わせによって、体内の白血病細胞を残存する正常の血液細胞もろとも死滅させます。 この前処置を行うことによって、白血病細胞を死滅させると同時に移植した正常な免疫機能を持った血液細胞が働きやすい土壌を作ります(もともとの免疫機能が働いていると拒絶反応が起きます)。 その後、骨髄移植や末梢血幹細胞移植などを行います。 化学療法、放射線照射でも白血病細胞は完全には死滅しないですが、移植した正常な免疫機能を持つリンパ球によって攻撃され、やがて治癒することを目標にしています。 移植に際して、白血球の型( )がドナーとレシピエントで一致している必要があります。 HLAは兄弟姉妹間であれば4分の1の確率で一致しているので、兄弟姉妹に同じHLAを持っている人がいる場合が同種造血幹細胞移植のいい適応になります。 兄弟姉妹間にいない場合はドナーを探すことになります。 血縁など全く関係のない人同士では数百~数万分の1での確率で一致するので、骨髄バンクなどを利用することになります。 現在、日本では26万人の方が骨髄バンクにドナー登録しています。 また、 や急性転化期など、病気の状態の良くない患者さんの場合だと移植後も治癒するケースが減少している傾向にあります。 同種造血幹細胞移植の副作用 同種造血幹細胞移植では、前処置に抗がん剤を用いることによる副作用を無視できません。 通常の化学療法よりもかなりひどい吐き気や嘔吐、口内炎や下痢など、様々な副作用が生じます。 加えて、移植後にドナー由来のリンパ球がレシピエントの臓器に障害を与えたり、移植してすぐにはちゃんと存在して機能していたリンパ球がしばらくして消えたりする(生着不全)などのリスクもあります。 これらの副作用は何年にもわたって継続することもあり、これらのことからもCMLの患者さんに対しては慎重に治療法を選択必要があります。 同種造血幹細胞移植前の管理について 次に移植前の感染管理についてです。 移植に伴う合併症をなるべく少なくするために、移植の前に虫歯などの感染源となるものを治しておく必要があります。 虫歯が原因で移植後、亡くなった方もいらっしゃるので、これくらい、と楽観することは出来ません。 また、患者さん自身には手洗いうがいを徹底してもらうなど、最大限感染のリスクを低くします。 それでも万が一 を発症した場合には速やかに強力な抗生物質などで鎮静させます。 ミニ移植について 最後に「ミニ移植」と呼ばれる同種造血幹細胞移植法を紹介します。 ここまでで紹介してきた幹細胞移植ですと、大量化学療法、放射線照射が前提にあるので、高齢者や臓器機能がもともと低下している患者さんにおいては、死亡率が上昇してしまうことが問題視されていました。 このような、造血幹細胞移植の適応ではあるけれど、移植したら死亡率が高い人たちのために考案されたのがこのミニ移植です。 ミニという名称になったのは前処置の際に用いる化学療法の強さです。 ミニ移植では骨髄抑制や殺細胞効果の低い前処置を行います。 具体的な薬剤名を挙げると、フルダラビンやブスルファンなどを用います。 ですがこれらの抗がん剤では白血病細胞をはじめとする骨髄の血液細胞は完全には死滅しません。 ですので、移植後、ドナーの血液細胞とレシピエントの血液細胞が混ざりあう訳です。 なお、一回の移植でドナー側の免疫が勝ち切れなかった場合は追加で末梢血よりドナーのリンパ球を輸注することがあります。 ただ、副作用などの問題は決してミニではありません。 ミニ移植はいまだ研究段階にすぎず、発展途上の治療法です。 出典 病気がみえる Vol. 5 血液 第二版 白血病の基本情報.

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慢性骨髄性白血病 概要

慢性 骨髄 性 白血病 完治

慢性骨髄性白血病(CML)を学ぶ白血病ってどんな病気? 白血病とは? 白血病は血液のがんです。 血液細胞には赤血球、血小板、白血球がありますが、これらの血液細胞が骨髄でつくられる過程で、がんになります。 がん化した細胞(白血病細胞)は、骨髄内で増殖し、骨髄を占拠してしまいます。 そのため、正常な血液細胞が減少し、貧血、免疫系のはたらきの低下、出血傾向、脾臓(血液を貯蔵しておく臓器)の肥大などの症状があらわれます。 日本では、1年間に人口10万人あたり、男性で11. 4人、女性で7. 9人の割合で白血病と診断されています(2011年のデータ *)。 白血病は、がん化した細胞のタイプから「骨髄性」と「リンパ性」に分けられ、さらに病気の進行パターンや症状から「急性」と「慢性」に分けられます。 本サイトでは慢性骨髄性白血病(CML)について詳しく解説します。 をご覧ください。 *出典:国立がん研究センターがん対策情報センター 表. 白血病の種類 急性白血病 骨髄性白血病 リンパ性白血病 慢性骨髄性白血病 (CML: chronic myelogenous leukemia) 慢性リンパ性白血病 (CLL: chronic lymphocytic leukemia) 造血のしくみ 血液細胞には大きく分けて、赤血球、血小板、白血球があります。 白血球というのは、リンパ球、顆粒球、単球の総称です。 これらの血液細胞は、骨の内側にある骨髄というところでつくられます。 そこで、血液細胞のもとになる造血幹細胞から各種の血液細胞へと変化(分化)し、成熟した血液細胞が血液中に放出されます。 変化する過程は大きく分けて2つあります。 赤血球、血小板、単球、顆粒球をつくる過程は骨髄系、リンパ球をつくる過程はリンパ系とよばれます。 血液細胞の分化・成熟 白血病の発症(原因)について 原因 白血病を含む「がん」は、一般に遺伝子や染色体に傷がつくことで発症すると考えられています。 たとえば、慢性骨髄性白血病(CML)では、患者さんの95%以上でフィラデルフィア(Ph)染色体という異常な染色体が見つかります。 遺伝子や染色体に傷がつく原因として、放射線、ベンゼンやトルエンなどの化学物質、ウイルスなどが挙げられていますが、そのしくみは完全には解明されていません。 また、白血病は遺伝しませんので、親が罹ったとしても、子どもが必ず白血病になるわけではありません。 診断 白血病の診断は、問診、血液検査、骨髄検査などの結果に基づいて行われます。 そのため、通常の健康診断や血液検査をきっかけとして、白血病が発見されることも少なくありません。 貧血などの症状があり、血液検査の結果から、血液細胞の数や種類に異常がみられた場合、白血病が疑われます。 最終的な診断には、骨髄液を吸引する「骨髄穿刺(マルク)」や、骨髄の組織を採取する「骨髄生検」などの骨髄検査が行われます。 骨髄はすべての骨の中にありますが、骨髄穿刺は腸骨(骨盤の骨)から採取するのが一般的で、ときには胸骨(胸の正面にある平らな骨)から採取することもあります。 骨髄中の細胞の数や種類、染色体や遺伝子の状態を確認し、白血病かどうかを確定診断します。

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白血病の予後と5年生存率~医学的な病状の見通し~

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白血球増加が著明であり、好中球が主体をなしていますが、好塩基球や好酸球の絶対数も 増加しています。 芽球から成熟好中球までの各段階の好中球がみられます。 好中球アルカリホスファターゼ・スコアーが 著明に減少しているのが特徴的です。 血小板は増加している場合が多く、赤血球は初期はほとんど変化はありませんが、 進行すると貧血となります。 ハイドロキシウレアやブスルファンなどの化学療法が行われていた時代では、通常約4年で 治療抵抗性となり、脾腫が縮小せず、好塩基球が増加し、血小板減少や貧血が現われたり、 原因不明の発熱などを示す移行期を経て、末梢血ならびに骨髄に芽球が増加する急性転化期になりました。 急性転化を起こすと急性白血病と鑑別が困難なことが多く、通常の急性白血病よりも治療抵抗性です。 フィラデルフィア Ph 染色体は陽性のままであり、Ph染色体が2個になったり、その他の付加的な 染色体異常が現われることが多くなります。 慢性骨髄性白血病の骨髄は白血病細胞が充満している過形成状態を示します。 芽球から分葉好中球までの一連の好中球系細胞が主体ですが、好塩基球や好酸球も増加し、 巨核球も増加しています。 骨髄細胞の染色体検査で小型のPh染色体がみられます。 これは、22番染色体の長腕の一部が切れ、9 番染色体の長腕の一部と互いに入れ代わる 相互転座t 9;22 の結果作られるものです。 Ph染色体は赤芽球や巨核球にも認められます。 9 番染色体の長腕にある癌遺伝子ABL1 が、 22番染色体のBCR 遺伝子部に転座し、BCR-ABL1 融合遺伝子が作られ、この遺伝子が作る P210蛋白分子は強いチロシン・キナーゼ活性を示し、細胞をアポトーシスより護り、 慢性骨髄性白血病の病因になっています。 Ph陽性急性リンパ性白血病の時にみられるBCR-ABL1 融合遺伝子は P190 蛋白分子をつくりますので、 慢性骨髄性白血病の場合はメジャー、Ph陽性急性リンパ性白血病の場合はマイナーと呼んで 区別しています。 ただし、白血病によって決まっているのではなく、特に後者では、二つの蛋白分子型が見られます。 その他、増加している白血球に由来するビタミンB12 結合蛋白増加のために血中ビタミンB12 値が 増加したり、破壊された白血球由来の尿酸値も上昇しています。 慢性骨髄性白血病は、白血病の原因になっている BCR-ABLチロシン・キナーゼを特異的に阻害する イマチニブの出現により、治療法が一変しました。 イマチニブ出現以前はインターフェロンや造血幹細胞移植が主たる治療手段でしたが、 現在はイマチニブが第一次選択薬になり、インターフェロンや造血幹細胞移植は、イマチニブや 第二世代のチロシン・キナーゼ阻害薬であるニロチニブやダサチニブが効かない場合のみ 施行される治療法になりました。 もともと慢性期の慢性骨髄性白血病には脾腫や白血球増多による色々の症状がみられるものの、 生命を脅かすほどのものではなく、化学療法薬であるハイドロキシウレアかブサルファンで治療する ことにより、白血球を正常範囲にコントロールすることが可能であり、患者さんは病状が進行して移行期や 急性転化期にならないかぎり、全く正常の日常生活が送れました。 大規模な比較研究の結果、ハイドロキシウレアで治療する方がブサルファンで治療するよりも予後が よいことが判り、専らハイドロキシウレアが使われましたが、残念ながら診断後4年前後で移行期へと 進行し、その後半年前後で急性転化となり、治療に抵抗性となって患者さんは死亡されました。 したがって、化学療法薬では慢性骨髄性白血病は治せませんでした。 また、血小板数のコントロールがうまく行かない症例には、ラニムスンやナイムスチンが使われていました。 その後、インターフェロンが有効であることが判り、約75%で血液学的寛解が、50%以上でPh染色体 陽性細胞の減少を認める細胞遺伝学的効果が得られました。 Ph染色体の減少例の予後は良く、約20%にみられる完全消失例の8年生存率は90%近いと報告 されています。 部分的に消失する患者さんでも8年生存率は70%以上であり、インターフェロンは慢性期の第一次 選択薬になりました。 この薬の長所は抗がん薬と違って、薬剤を中止すれば白血球等が直ぐ回復する点にあり、 したがって、薬剤を十分効かせることが出来る所にあると思われます。 問題は副作用です。 インフルエンザに罹ったときのような発熱や筋肉痛に加え、肝障害やうつ病などがあります。 それに、インターフェロンは高額ですから、病名を告知されておらず、造血幹細胞移植ができなければ この薬でしか長期生存するチャンスはないと説明を受け納得していない患者さんは、副作用を理由に インターフェロンを早期に中止したがる傾向にありました。 また、インターフェロン療法に十分習熟していない医師も同様であり、副作用を恐れて早期に中止する 傾向にありました。 副作用は確かに怖いですが、白血病はもっと怖く確実に命を奪う病気です。 Ph染色体が減少すれば、長期生存が可能ですから、辛抱つよく使用し続けることが肝要です。 なお、Ph染色体が完全消失しても、遺伝子検査でBCR-ABL1が消失しないかぎり、たとえ少量でも インターフェロンを長期間継続投与することが必要でした。 造血幹細胞移植はイマチニブ出現前では第一次選択の治療法でした。 50歳以下でHLA 白血球型抗原 の一致する家族ドナーがいれば、なるべく早く実施していました。 50歳以下の慢性期の慢性骨髄性白血病にHLAが一致した家族ドナーから移植を行う事により、 60%~70%前後の長期生存が得られます。 しかし、一方では移植後に起こるGVHD 移植片対宿主病 や間質性肺炎等による移植関連死が 20%~30%あり、場合によっては命を短くします。 50歳以下で家族ドナーのいない場合は、骨髄バンクに登録してドナーが見つかれば、非血縁ドナー 移植を行いましたが、家族ドナーからの移植に比べGVHD等の合併症や移植関連死も多く、35歳以上の 患者さんでインターフェロンがよく効いている場合は、インターフェロンの方がよい成績を示しました。 50歳以上の患者さんでは、まずハイドロキシウレアで白血球を減らした後、インターフェロンを中心とする 薬物療法を行い、これが無効の場合や一時的に効いても再発した場合には、造血幹細胞移植を 行いました。 50歳以上ではGVHD等の合併症や移植関連死も多いことより移植前治療を弱くするミニ移植も 選択されていました。 2000年以降、慢性骨髄性白血病の原因となっているBCR-ABL1 遺伝子が作るチロシン・キナーゼ活性 を特異的に阻害するイマチニブが使われるようになり、その優れた効果により、慢性骨髄性白血病の 第一次選択薬になりました。 常に活性状態にあるチロシン・キナーゼのために死ににくくなっていた白血病細胞が、この薬の作用で アポトーシス 計画細胞死 を起こして死滅するのです。 インターフェロン比べて、副作用もほとんどなく、100%近い血液学的完全寛解が得られ、Ph染色体陽性 細胞が75%以上減少するメジャー細胞遺伝学的効果が80%で得られ、8年生存率は90%を越えるほどの 優れた治療効果を示しています がん化の原因になっている異常遺伝子に直接向けられた分子標的治療薬が期待通りの効果を 示したのです。 余りにも優れた治療効果を示しているため、若い患者さんにおいても、たとえ家族にHLAの 一致するドナーがいても、造血幹細胞移植はイマチニブが効かない症例にしか行なわれなくなりました。 すなわち、移植はイマチニブが効かない患者さんにしか行なわれなくなりました。 図7 それでも、薬ですから、発疹などの副作用のためイマチニブが使えない患者さんや一旦効いていた イマチニブが効かなくなる耐性例も20~25%程度 あります。 最近、イマチニブが使えない患者さんや耐性例に有効である第二世代のチロシン・キナーゼ阻害薬が 幾つも開発され、ニロチニブとダサチニブが使用 可能になりました。 その結果、造血幹細胞移植はこれらの薬が効かなくなった症例や移行期・急性転化期になった 患者さんにのみ行なわれるようになりました。 なお、第二世代のチロシン・キナーゼ阻害薬も効かない場合は、造血幹細胞移植を行います。 造血幹細胞移植を安全に行うには年齢が高すぎる場合 には、インターフェロンが勧められます。 インターフェロンには免疫力増強作用があるため、免疫の力も借りて白血病細胞を撲滅できる可能性が 考えられてお り、副作用さえ上手にコントロールすれば優れた薬です。 ドイツグループがイマチニブ登場前に行った前方向比較研究の結果では、インターフェロンの方が 造血 幹細胞移植よりも、むしろ優れていると報告していますので、副作用は強いものの インターフェロン使用も考慮すべきです。 ただし、イマチニブと違って発熱な どの副作用は強いですから、患者さん側は勿論のこと、 治療する医師側にも、強い目的意識を持って治療を継続して行く必要があります。 40年以上に渡り白血病の治療研究に携わってきた私の経験では、インターフェロンほど、 治療する医師の診療実力によって患者さんの予後が左右された抗が ん薬はありませんでした。 イマチニブ、ニロチニブやダサチニブでは、そのようなことはないと思いますが、それでも、副作用が 出ると直ぐ薬を中止したり、有 効量以下に減量してしまう医師も少なからず見受けられます。 白血病とはそもそも致死的な病気なのだという原点に立って、ベストの治療を選択する必要がある と感じています。 イマチニブ、ニロチニブやダサチニニブが無効となって急性転化した場合は、典型的な急性白血病と 異なり薬物療法には抵抗性であり、造血幹細胞移植 もほとんど期待できません。 したがって、慢性骨髄性白血病では、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブやインターフェロンなどを 上手に使用して、急性転化さ せないことが肝要です。 化学療法のみでは通常診断後約4年で移行期を経て急性転化して死亡した白血病でしたが、 インターフェロンや造血幹細胞移植により50~70%が長期生存できるようになったものの、 副作用が問題となる治療法でした。 ところが、イマチニブの出現により、予後は劇的に好転しました。 イマチニブが臨床応用されてから10年ほどしか経っていませんので確実なことは言えませんが、 早期に診断された慢性期の慢性骨髄性白血病の85%以上は急性転化することなく長期生存すると 予測されています。 運悪くイマチニブが効かなくなっても、第二世代のニロチニブやダサチニブがありますし、 これらが効かない場合には、インターフェロンや造血幹細胞移植を行なうことにより、 90%以上が長期生存する時代になりました。

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