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Last Promise 【花より男子 二次小説】 (2ページ)

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「四年後に必ず迎えにいきます」 ふたりの約束。 四年という時間の長さも実感できないままに、司が公の場で言った言葉がそのまま、つくしのこころに刻まれた。 それが、どんなに難しいことなのか。 相手を思う気持ちだけでは超えられない時間の壁を、実感するには、ふたりはまだ幼すぎた。 司がつくしを思う気持ちが、どんなに本物でも、つくしが司を信じる気持ちが、間違いなく確かでも、それでも超えられない壁があることを。 最初の一年は、慌ただしさのなかで過ぎていった。 逢えない寂しさも、傍にいない心細さも、まだ、お互いのぬくもりを覚えているうちは、夢をみていられた。 一年後。 フランスでの再会。 寂しさを口にすることでお互いに愛しさを、確認しあった気持ち。 けれども、結果としてそれが、お互いの気持ちを激しく揺さぶってしまったことに気づかなければならなかった。 「好きだ」という気持ちは、確かめ合えたかもしれない。 けれど、それと同時に、再び別れなければならない、ふたりのこころの奥に、誰よりも愛しい人に、逢えない寂しさを、残した。 想えば想うほどに、それは重く苦しい枷となる。 一年は長かった。 それなのに、まだ続くのだろうか、このつらい想いが……。 ふたりのこころの奥に少しずつ、不安という小さな砂粒が積もっていく。 さらさらと。 さらさと。 ちいさな粒が、それでも毎日積もっていく。 図らずも、同じように、不安と寂しさを紛らわすために、なるべく相手のことを考えないようにと思い始めたふたりの気持ちは、罪なのだろうか。 日々の生活に紛れ、少しずつ消えていく、大切な人の、ぬくもりと香り。 一度会ってしまったばっかりに、さらに増していく、逢えない苛立ち。 けれど、幸せな思い出だけで、生活できるほど現実は、甘くなかった。 そして、また一年が過ぎる。 四年後の約束まで、半分。 ようやく、半分。 やっと、半分が過ぎただけだ。 これから、また今までと同じ長さの時間を耐えなければならない。 考えたくなくても、それが現実。 司の胸に。 つくしのこころに。 少しだけ、大人に近づいたふたりの気持ちは、同じだった。 もし、本当に、自分たちがお互いを必要とするならば、約束などなくても、きっとまた再び始められるはず。 二年目の春。 つくしのもとに、司から一本の電話が入った。 あわただしいスケジュールの合間を縫って、つくしのための時間を作り出した彼の気持ちは、すべて電話を切った時点で、つくしに伝わっていた。 指定されたホテルの最上階のバーで待つ、つくしのもとに現れた司は、一年前より、すこし痩せたように見えた。 頬のあたりの肉がそぎ落とされ、以前よりもさらに精悍な感じになっている。 それだけで、司の日々の生活のハードさが目に見えるようだった。 「悪い……」 司は、そういったきり、目の前のグラスをカラカラと弄んでいる。 「わかってる。 大丈夫だから」 しばらくして、そう答えた、つくしの顔をやっと彼はみつめた。 つくしは、二年前と少しも変わらない強い光を放つ瞳で、司をみつめ返すと、唇をきゅっとむすんで、ゆっくりと頷いた。 何もかも、わかっている。 その瞳は、そう継げていた。 司は、ふっと息を吐くと、 「ただ、大学は続けてくれ。 今の俺にしてやれるのは、それだけしかないかもしれない」 「ありがとう。 辞めて働こうかと思っていたから、感謝するよ」 「感謝なんて、しないでくれ」 「なんで? 道明寺がいてくれなかったら、あたし大学なんていけなかったんだし」 「自分が、情けなくなるから」 「そんなふうに、思わないで。 私たちのこの二年は無駄じゃなかった。 道明寺のことを考えてる時間は、幸せだったから」 その後。 ほんの15分ほど、ぽつりぽつりと会話を交わし、時計を気にする司を見かねて、つくしのほうから、最後の言葉をきりだした。 「そろそろ出ようか」 「ああ」 店を出たところで、送っていくという司の申し出を、つくしは優しく断った。 「ひとりで、帰りたい日もあるのよ」 司の右手が伸び、つくしの頬に触れる、そのまま抱きしめようとした彼の手を、つくしはするりと抜け出た。 「元気で……」 「あ、ああ。 おまえも元気でな」 司にくるりと背を向け、歩き出すつくしの背中は、まっすぐに伸び、凛としていた。 約束の終わり。 ふたりは、別れた。 間違ってはいない。 ただ、お互いを信じて。 時間を追いかける、苦しい恋から、解き放たれたふたりは、新しい道を、またみつけるために、それぞれに歩き出す。 更新日:2013-04-20 09:27:19•

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L'homme du destin 〜運命の人〜 花より男子二次小説

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つくしは一人悩んでいた。 どうして、こんな事になってしまったのか。。。 稜には、別れるように言ったが、納得するハズが無い、、、 自分でも、どうしていいのか、わからなかった。 そして、考えた末に、花沢類に連絡をしていた。 「花沢類?あの、、牧野です。 忙しいのにごめんなさい。。。 ちょっと相談したいことがあるんだけど、時間もらえますか??」 「牧野?相談?、、、あぁ、わかったよ。 キョロキョロしながら、カフェを探していると後ろから、呼ぶ声がした。 「牧野!」 振り返ると、花沢類が手を振っていた。 つくしは、急いで類に駆け寄った。 その様子を、離れたところから、偶然司が見ていた。 ミーティングで、ホテルを訪れていた。 「類?」 こんなところで、女と会ってるのなんて、珍しいな。 ちょっと、冷やかしてやるか笑 司は、類達のあとから、カフェに入り、離れた席から様子を見ていた。 「話って?」 類が、切り出した。 「うん。。。 稜の事なんだけど。 」 「稜君がどうかした??仕事で何かあったとか?」 「ううん、仕事の事じゃないの。。 」 「じゃあ、、、何?」 つくしの様子に、何か感づいたようだったが続けた。 「花沢類は、道明寺のお嬢さんのこと知ってる?」 「梓ちゃんの事?ああ、もちろん。 司の娘だし、小さい頃から知ってるけど?」 「それが、どうかした??」 「、、、うん。 どういう経緯かは、わからないんだけど、その梓さんと、稜がお付き合いしてるみたいなの。 」 「、、、そう」 「ごめんなさいっ!こんな事、相談できる人いなくて。。。 両方の事を知ってるのって、花沢類だけだと思って。。。 」 「いや、いいよ。。。 」 「私、どうしたら。。。 稜には、お付き合いを辞めなさいと言ったけど。。 ねぇ、花沢類。 私、どうしたらいいの??」 つくしは、その場で涙を流し始めた。 類は、とりあえず一旦落ち着こうよ、と つくしの背中をさすりながら、店を出て行った。 2人の様子を見ていた司。 驚きを隠せず、立ち上がれないでいた。 類が会ってた女って、、、、 牧野か? どうして?? 会話は聞こえて来なかったが、親密そうに話をしていた。。。 類が背中に手を回していた様だった。。。 まさか、付き合っているのか?? そういえば、少し前に再会したと言っていた。。 昔、オレがNYに行って牧野が迎えに来た頃、類もアイツの事が好きだった、と言われた。 昔の気持ちを告白された牧野が、類を受け入れたのか?? 司の心は、かき乱されていた。 ponypo1980 「稜、ちょっといい??」 「ん、何??」 「あなたに、話しがあるの。 」 深妙な顔つきのつくしを不思議に思いながら、稜は座った。 「母さん、今日来た道明寺さんとのお付き合いは賛成できないの、、、」 「えっ??何で?だって、あんなに会うの楽しみにしてたし、実際、楽しかったでしょ?? 彼女、何かした??」 「彼女は、とても素敵な人だと思うわ、、、。 けどね、私達とは、住む世界が違うの。 わかるでしょ??何もかもが違うのよ。 」 「そんなの、最初からわかってるよ。 」 「わかってない。 友達だったら、何も言わない。 でも、お付き合いするのは、あなた達が辛いだけ。。 」 「母さん。 どうしたの??こんな事言われるの初めてだよ、、、。 何で??」 稜の質問に、黙ったまま俯くつくしだった。 まさか、道明寺の娘と、稜が付き合っているだなんて、夢にも思っていなかった。 道明寺とは、10数年前、ばったり会ったっきり。 自分はおろか、子供同士に接点なんてないはずなのに。。。 どうして、こんな事になっているのか、、、。 ponypo1980 ピンポーン 佐伯家のインターホンが鳴った。 「はーい」 つくしが返事をしてドアを開けると、稜と女の子が立っていた。 「稜、おかえり。 あら、こちらが例のお嬢さん??」 「うん。 あっ、これがオレの母さん。 」 「はじめまして。 今日は、お招きありがとうございます。 」 梓は、お辞儀して、挨拶をした。 「さぁ、入って入って!待ってたのよ〜」 ダイニングに入ると、テーブルの上にいろいろな料理が並んでいた。 「母さん、今日はりきったね!」 「そうよ〜、沢山作ったから、沢山食べてちょうだいね。 」 つくしに促され、席に着いた。 「はじめて食べるものばかりかもしれないけど、召し上がれ。 」 3人の誕生日会が始まった。 一通り、食事が終わり、デザートのケーキを食べていた時だった。 「あっ、そういえば。 お嬢さんのお名前聞いてなかったわね、うっかりしてた笑」 「あっ、オレも言いそびれてた笑」 「じゃあ、自己紹介してくれるかしら?」 つくしは、梓に笑いかけた。 「はい。 私は、道明寺梓と申します。 」 つくしは、その言葉に凍りついた。 「えっ??ど、道明寺??」 「はい。 珍しい名前ですよね?」 「母さん知ってる?道明寺グループって? 彼女のお父さんが社長なんだよ。 」 つくしは、返す言葉がなかった。 そして、そのまま、梓が帰るまで、黙ったままだった。 ponypo1980 梓の誕生日パーティ当日。 場違いな雰囲気に、稜は戸惑っていた。 「こっち、こっち!」 梓が、遠くから手を振る。 梓の周りには、西門麗香、美作姉妹も揃っていた。 ドレスアップしている姿に、稜は少し怖気づいていた。 「今日は、招待してくれてありがとう。 あの、、、今日は、いつもと感じが違うっていうか。。。 ドレス素敵だね。 」 照れながら、褒める稜。 それを、横で見ていた麗香達が近づいてきた。 「梓の付き合ってる人って、あなたの事ですか??」 「えっ〜、ちょっと今までとだいぶタイプが違くない??」 「意外なんだけど〜」 勝手に話始める3人に、今、紹介するから黙って、と、なだめる梓。 「こちらは、佐伯稜さん。 」 よろしく、と3人に頭を下げる稜。 その時、後ろの方がザワつき始めた。 そしてF4が、パーティーに現れた。 「ねぇ、F4よっ!!まさか、こんなところでお目にかかれるなんてっ!」 「大人になっても、やっぱり素敵だわぁ」 パーティーに出席していた女性達が、騒ぎ始めた。 「F4って??何?」 「F4っていうのは、梓のの、と、私の父の西門総二郎、こちらの美作姉妹のの、美作あきら、そして花沢物産社長の花沢類、この4人の学生時代の呼び名なの。 」 麗香が、稜に教えた。 「へぇ〜。 何か、やっぱり君達って凄いんだね、、、。 」 想像以上の世界に、驚きが止まらない稜。 「あれ?佐伯君??」 花沢類が、稜に気付いた。 「あっ、花沢社長。 」 類に気付き、軽く会釈をした。 「何?彼、類の知り合い??」 あきらが類に尋ねた。 「うん。 うちの社員で、佐伯稜君。 」 「へぇ。 で、何で君がここにいるの??」 あきらが突っ込んだ。 あの、梓さんに招待されまして。。。 」 「へぇ、じゃあ梓の彼氏ってこと??」 「あきら、まぁ、そのへんにしとけよ。 ビビってるだろ?」 総二郎が悪いね、と間に入り、あきらを連れ出した。 「佐伯君、梓ちゃんと付き合ってるんだって?」 「しゃ社長、なんでそれを??」 「あぁ。 さっき、あきらんちの双子達が噂してたからさ。 君のこと。 」 「は、はぁ。 そうでしたか。。。 」 「オレは、応援してるからさ。 」 そう言って、類は稜の肩をポンと叩き、その場から離れて言った。 「おい、総二郎。 梓のやつ、付き合ってるヤツがいるってホントか??」 「らしいな。 今日、来るみたいだぜ。 」 「どんなヤツだった??」 「おまえ、だろ?自分で確かめろよ。 」 総二郎に、背中を押されたその時、前を通りすぎそうとした人物にぶつかった。 「あっ、すみません。 」 「いってぇな〜、総二郎押すなよ。 あぁ、君。 悪かったな。 」 「いえ。 」 司は、ぶつかった相手の顔をじっーと見て、立ち止まっていた。 「あ、あの?ホントすみませんでした。 」 「ああ。 いや、いいんだ。 オレが悪かった、、、。 そんな事より、君とどこかで会ったことあったかな??」 「えっ?えーと、どこかでお会いしたような気もしますが、、、すみません、覚えてないです。 」 司は、どこかで会った、というよりも、過去の記憶が呼び戻されるような気がしていた。 「君、名前は?」 「はい、佐伯稜です。 」 「佐伯?」 聞いたことがない名前だった。 でも、目元や、顔の雰囲気は、どことなく見覚えがあった。 ponypo1980 「ねっ。 今度、私の誕生日会があるんだけど、来てくれる??」 「えっ、誕生日?いつ?」 「12月28日」 「12月28日??」 「そうだけど、、、??都合悪かった?」 「いや、、、実はうちの母親も同じ誕生日なんだ。 」 「えっ!?そうなの〜??スゴい、偶然じゃない?」 「うん、ビックリした。 」 「じゃあ、28日は無理かな、、、」 「いや、行くよ!母さんは、プレゼントだけ渡せば喜んでくれるだろうから。 」 「じゃあ、楽しみにしてる。 」 梓は嬉しそうに帰って行った。 「ただいま。 」 「おかえりなさい。 」 「ねぇ、母さんの誕生日って12月28日だったよね??」 「そうよ〜。 何?プレゼントのリクエストでも聞きにきたの?笑」 「違うよ、そんなんじゃなくて。 今、付き合ってる彼女も、同じ誕生日だったんだよ。 」 「え?そうなの?偶然ね。 何かプレゼント考えてるの?」 「う〜ん、それなんだよね。。。 何がいいかなって思ってさ。 彼女、欲しい物は何でも手に入っちゃうみたいだし。。 プレゼントとか貰い慣れてるだろうから。。 」 「お嬢様みたいじゃない笑そうね〜 だったら、いつもご馳走は食べ慣れてるだろうから、うちの食事でよければ、一緒にお祝いなんてどうかしら??」 「えっ?うちで??」 「そう。 お嬢様みたいな生活してたら、きっと庶民のご馳走とか知らないんじゃない?笑」 「そうか。。。 聞いてみるよ。 母さんと一緒の誕生日なんて、彼女も驚いてたし。 」 「母さんも、会ってみたかったし、オッケーしてくれたら嬉しいわ。 」 梓の誕生日の次の日に、稜の家に招待することにした。 ponypo1980 司は、黙って玲人の話を聞いていた。 「それで?彼女とは?」 「それっきり、、、音信不通です。 」 「それでいいの?」 「、、、、」 「彼女の事、本当に愛してたのか?? このまま、中途半端に気持ちを引きずったまま、先になんて進めないんだぞ。 君も、彼女も。。。 ちゃんと自分の気持ちにケジメをつけるべきだ、、、。 オレが言えた立場じゃないが。。。 」 「あの、、、道明寺さん、 やっぱり梓さんとの結婚は、僕から破棄させて頂けませんか?勝手なお願いだとは、承知の上ですが。。。 」 玲人は、頭を下げた。 司は、無言で頷いた。 「で、どうするつもり??」 「はい、とにかくフランスに行って、彼女を探して、何もかも謝ってきます。 許されるとは、思ってませんが、、、。 」 「、、、後悔するなよ。 あとの事は、こっちに任せればいいから。 」 「はい。。。 あの、話聞いて頂いてありがとうございました。 」 最後に一礼すると、玲人は店から出て行った。 「司です。 神崎玲人と、梓との結婚の話ですが、双方が、破棄したいとの事で一致しました。 そういう事なので、この件は、ここまでにして下さい。 」 司は、用件をだけ伝えると、あっさりと電話をきった。 ponypo1980 司は、ホテルのバーに玲人を呼び出していた。 「神崎君、今回の件、本当に申し訳ない。 」 頭を下げた司に、玲人もビックリしていた。 「いやっ、その、やめて下さい。 道明寺さん。 」 「今回の事は、梓のワガママでしかないんだ。 だから、君には本当に申し訳ない。 」 「いえ、、、実は、僕も本当の事を言うと、この結婚には迷っていました。。。 もちろん、彼女の事は好きでした。。 でも、なんか、自分の中で、結婚まで吹っ切れないというか。。。 」 「君も、いろいろあったみたいだね。。 」 「はい、、、。 あの、今からいう話は、 ここだけの話にしてもらえますか?? 誰にも言うまいと思っていた話なので。。 」 「ああ、わかったよ。 」 そして、玲人は話し始めた。 大学2年の頃、初めて心から愛する女性に出会ったこと。 3歳上の彼女とは、食事していたレストランで出会った。 彼女は、そこでソムリエを目指して勉強していた。 彼女は、玲人のスタッフに対する横柄な態度が許せず、彼をその場で叱った。 慌てた上のスタッフが出てきて、玲人に謝罪したが、彼女は頭を下げなかった。 玲人は、今まで誰かに、真剣に怒られたことが無かった、自分のしている事は全て許される、親の力、金の力で何とかできると思って生きてきた。 彼女の存在が気になってしょうがなかった。 あの瞬間から、彼女に惹かれている事に気付いた。 数日後、店に行ってみると、彼女は辞めていた、あの一件後、半ば辞めさせられていたのだ。 必死に、彼女の居場所を探した。 数週間後、ようやく都内のレストランで働く彼女を見つけた。 彼女は、玲人を見るなり、何しに来たの?と冷たい言葉を掛けた。 それから、玲人は、週1回彼女の働くレストランに、通うようになった。 最初は、相手にもされなかった。 しかし、ソムリエを目指す彼女との話を合わせるために、玲人も必死に、ワインの勉強をして、会話のきっかけをつくっていた。 そんな、玲人の姿に、彼女も惹かれていき、2人の距離が縮まっていった。 毎日、彼女の仕事が終わった後、彼女の部屋で一緒に料理を作り、ワインを選んで呑む、それがささやかな幸せだった。 そして、お互いに愛し合うようになっていった。 彼女の部屋で暮らし始めて数ヶ月後の事だった。 彼女が、妊娠していることがわかった。 その状況に、嬉しさよりも、自分の今の立場や親になるという事が理解出来ず、気付くと、部屋から飛び出してしまっていた。 まだ、大学生である自分。 親に言うべきだろうか、いや、いっそ家を出てしまおうか。。 駆け落ちでもいいじゃないか。 でも、どうやって暮らしていく? 何をして働く? 親子3人で生活できるほど、稼ぐ事が、自分はできるんだろうか?? 神崎家に生まれ、何不自由なく育った環境以外で生きていくことが、恐怖に感じていた。 その間にも、彼女から連絡はあったものの、自分の答えを見つけ出せないままだった。 しばらくたったある日、玲人は彼女の部屋を訪れた。 そこには、彼女の姿はなく、部屋も空き部屋になっていた。 彼女の働いていた店を訪ねたが、そこにも彼女の姿はなかった。 数日前に、退職していた。 同僚が、玲人に、手紙を渡してきた。 彼女からの手紙だった。 そこには、 「さようなら」とだけ書かれていた。 仲の良かった同僚の話では、 玲人に会うために、神崎家を訪ねてきていた事、そこで、玲人との事を話すも許してもらえず、代わりに、フランスでのソムリエ留学と手術費用を条件に、別れるように告げられたという。 彼女は、玲人に相談しようとしたが、一向に連絡がつかないことに気持ちも絶望し、 子供を産むことを諦め、フランスに旅立って行った、と聞かされた。 ponypo1980.

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Last Promise 【花より男子 二次小説】 (1ページ)

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<1.さよなら大好きな人> 「元気で」 その言葉に、一瞬言葉を失ったかのような司の表情を、つくしはたぶん一生忘れないだろうと思った。 「さよなら」は言いたくなかった。 本当は「さよなら」なんだけど、言いたくなかった。 本当は、「ありがとう」と言いたかった。 でも、 「元気でいてほしい」それが、口からでた言葉だった。 精一杯の笑顔で「元気で……」そう言ったつくしに、司が返した言葉も「ああ、おまえもな」だった。 自分と同じように笑ってはくれなかったけれど、そう答えてくれた司に満足して、その瞬間に、彼に背を向ける。 これ以上、言葉を交わすと、言わなくていいことまで告げてしまいそうな気がしたから。 つくしは、自分のこころのなかに溢れ出る想いが、未練を感じさせる言葉となって自分の口から流れ出ることを恐れた。 背を向けた瞬間に、自分の身体から力が抜けていくような気がして、精一杯、背筋を伸ばす。 足がガクガクと震えそうだった。 司の視線がまっすぐに、自分の背中に向かっているのを熱く痛いほどに感じて、おもわず振り返りそうになる。 振り返って、駆け寄って、そして両腕のなかにしっかりと抱きしめて。 「ごめんなさい」と。 「愛している」と。 もう一度、告げてしまいたくなる。 そんな自分の感情を、ぐっと胸の奥に押さえ込み、つくしは前を向いて、歩き出した。 司は追いかけてはこないだろう。 つくしにはわかっていた。 それは、きっと、彼の想いが、自分と同じだとわかっていたから。 だから、まだ振り返ってはだめ。 つくしは、まっすぐに背を伸ばしたまま、司のもとを離れていく。 あの交差点の角まで。 本当は、多くの人が行きかう舗道。 いくら深夜に近いとはいえ、きっと数メートルも歩けば、司の視線から自分は消える。 だけど、彼の前にいるあいだは、凛とした姿でいたかった。 つくしは大きな交差点を渡り、角を右へ曲がる。 その瞬間、全身がぐらりと揺れたような気がして、おもわず両手で顔を覆った。 足が、ガクガクと震え、立っているのが辛くて、その場にしゃがみ込む。 行き交う人の幾人かが、ちらちらとつくしのほうをみていくのがわかったが、誰も声をかけてはこなかった。 「終わっちゃった……」 目が回るような、宙を浮遊しているような不思議な感覚がしばらく続いたけれど、不思議と涙は出てこなかった。 ただ、虚しさとあっけなさ。 自分を支える拠りどころをなくしてしまった虚脱感が襲ってくる。 こんなにも、あっけないものなんだ。 不思議だった。 ふたりの関係をつくりあげるまでにかかった時間に比べて、壊すのはなんて簡単なんだろう。 しばらく、そのままじっと眩暈が治まるのを待つ。 携帯を取り出し、時間をみると11時を過ぎていた。 「帰らなくちゃ」 そう、口に出してみるものの、すべてが終わった世界に出て行くような気がして、そのまま動けない。 今までだって、司がいなくても大丈夫だった。 司と気持ちが通じあってから、何度かの「別れ」はあった。 けれど、それは「距離」と「時間」という別れであって、今日のそれとは違う。 考えて、考えて、そして出した結論なのに、やはり悲しさを、苦しさを感じないわけにはいかなかった。 無意識に携帯電話の、アドレス帳を順番に辿っていく。 しばらく考えて、それから、またアドレスをピピピッと変える。 ふと、つくしの指が止まった。 今、誰かに甘えたら、あたしは、本当にダメになる。 ひとりで超えなきゃいけない夜もあるんだと、いつか誰かが、歌ってた。 あたしにとって、その夜は今日以外にない。 つくしは、ゆっくりと立ち上がると、再び歩き始めた。 更新日:2013-04-21 11:56:26•

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